12:15 〜 12:30
[BPT24-P02_PG] 神奈川県中央部に露出する更新統中津層群大塚層から産出する冷湧水性化学合成化石群集の新露頭
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:中津層群, 冷湧水性化学合成化石群集, 更新世
神奈川県相模原市を流れる相模川北東岸には更新統中津層群上部の大塚層が露出する.相模川北東岸の中津層群は下位から小沢層,神沢層,清水層,大塚層,塩田層が露出する (Ito, 1985).今回,大塚層から新たに2地点の冷湧水性化学合成化石群集が産出する露頭を報告する.大塚層は主に塊状の泥岩層からなり,軽石質凝灰岩層 (層厚数cmから10数cm) と薄い砂岩層を狭在する.
今回報告する2地点の新たな露頭 (Loc.1と2) は塊状泥岩中にツキガイ類化石が産出し,散在的な自生炭酸塩コンクリーション (大きさ数 cmから10数 cm) を共産する.Loc.1はスコリアと軽石 (粒径0.5~2 mm) が散在し,最大層厚7 cmのレンズ状の細粒砂岩層が狭在する.17個体の大型二枚貝化石は大部分が合弁のツキガイ類化石からなり,露頭表面上の高さ0.4m,幅1mから散在的に産出した.この地点の化石は殻が溶解しほぼ失われている.計測したほぼ全ての合弁個体の接合面は層理面に対してほぼ垂直に配列し,殻頂方向を上向きに配列していた.Loc.2はスコリアと軽石 (粒径0.5~2 mm) と小礫サイズの軽石が散在する.42個体の大型二枚貝化石は大部分が合弁と離弁のツキガイ類化石からなり,露頭表面上の高さ2m,幅1.2mから散在的に産出した.この地点もLoc.1と同様に化石の殻は溶解しほぼ失われている.計測した合弁個体と離弁個体はそれぞれ27個体と15個体であった.多くの合弁個体の接合面は層理面に対して殻頂方向を上向きに配列し,対して計測した離弁の殻の接合面は層理面に対して平行に配列し,convex-downが8個体,convex-upが4個体であった.
ツキガイ類は殻頂方向を堆積物に対して上向きにして生息することが知られている (Stanlay,1970;Kondo,1990;菅野,1993).従って,今回報告したツキガイ類化石は当時の生息姿勢を保っていると解釈した.
今回報告する2地点の新たな露頭 (Loc.1と2) は塊状泥岩中にツキガイ類化石が産出し,散在的な自生炭酸塩コンクリーション (大きさ数 cmから10数 cm) を共産する.Loc.1はスコリアと軽石 (粒径0.5~2 mm) が散在し,最大層厚7 cmのレンズ状の細粒砂岩層が狭在する.17個体の大型二枚貝化石は大部分が合弁のツキガイ類化石からなり,露頭表面上の高さ0.4m,幅1mから散在的に産出した.この地点の化石は殻が溶解しほぼ失われている.計測したほぼ全ての合弁個体の接合面は層理面に対してほぼ垂直に配列し,殻頂方向を上向きに配列していた.Loc.2はスコリアと軽石 (粒径0.5~2 mm) と小礫サイズの軽石が散在する.42個体の大型二枚貝化石は大部分が合弁と離弁のツキガイ類化石からなり,露頭表面上の高さ2m,幅1.2mから散在的に産出した.この地点もLoc.1と同様に化石の殻は溶解しほぼ失われている.計測した合弁個体と離弁個体はそれぞれ27個体と15個体であった.多くの合弁個体の接合面は層理面に対して殻頂方向を上向きに配列し,対して計測した離弁の殻の接合面は層理面に対して平行に配列し,convex-downが8個体,convex-upが4個体であった.
ツキガイ類は殻頂方向を堆積物に対して上向きにして生息することが知られている (Stanlay,1970;Kondo,1990;菅野,1993).従って,今回報告したツキガイ類化石は当時の生息姿勢を保っていると解釈した.