18:15 〜 19:30
[HCG36-P01] 高速増殖原型炉もんじゅ敷地周辺の直線的な地形等に関する調査
キーワード:高速増殖炉もんじゅ, 破砕帯調査, リニアメント
高速増殖原型炉もんじゅ(以下、もんじゅ)においては、原子炉建物近傍の敷地内破砕帯調査のほかに、段丘編年やリニアメントの成因検討等、敷地周辺の地形に着目した調査も行ってきた。本発表では、もんじゅ敷地周辺の直線的な地形や海岸沿いの平坦面を対象とした地形・地質調査の結果を報告する。
1.直線的な山地/段丘境界に関する調査・検討
もんじゅ敷地の南方に存在する、NW~NNW方向の線状地形(L-2リニアメント,耐震バックチェック時に判読)は、JAEAによる地形・地質調査の結果等から、組織地形である可能性が高いと評価されている。この線状地形の北方の山地/段丘境界はNW方向で直線的である。この境界の活断層の可能性について、原子力規制委員会の有識者会合において意見があり、これを受けて、詳細な地形・地質調査を行った。
地形調査:山地/段丘境界付近において、地形判読、現地調査、測量データの解析等を行った。調査地域では、山地斜面が直接海に臨み、現河床と段丘面の勾配は比較的急である。そのため、人工改変前の地形図からは,河川が大きく蛇行することなくゆるく湾曲した侵食地形を作っていること、山地/段丘境界も同様にゆるく湾曲していることが読み取れる。また、建設前の地形図には山地/段丘境界付近に分離小丘状の地形が表現されているが、航空レーザ測量及び踏査ではそのような地形は顕著に認められないことから、地形図作成当時の判読誤差等が影響して表現されている可能性がある。
地質調査:山地/段丘境界付近において、破砕帯の有無や節理の発達様式に着目して露頭調査と堆積層の年代測定を行った。その結果、発達する節理は主としてNW方向(山地/段丘境界の発達方向)及びNE方向であり、比較的堅硬な花崗岩も分布していることが明らかとなった。また、山地/段丘境界付近には一部の露頭で破砕帯が確認されたが、山地/段丘境界の方向と同方向に連続する破砕帯は確認されなかった。破砕帯が確認された山地/段丘境界北西端付近の露頭では、破砕帯を覆う約4~5万年前以降の被覆層に変位は確認されなかった。
以上の地形・地質調査の結果,山地/段丘境界の直線性が断層変位に起因する証拠は確認されなかった。
2.直線的な海岸線と海岸沿いの平坦面に関する調査・検討
もんじゅ敷地周辺では、大局的にみるとNE方向の直線的な海岸線が発達する。また、海岸沿いの一部に定高性のある地形(平坦面)が認められる。このような地形の成因と平坦面が他にも分布するのかどうかについて、地形・地質調査を行った。
地形調査:地形判読を行うとともに、航空レーザ測量データから作成したDEMを利用して等高線図や地形断面図を作成した。その結果、標高5m付近に分布する平坦面(幅約10m、長さ約20m)の1か所を除き、比較的平坦な面として認識できるような地形は判読されなかった。
地質調査:節理の発達に着目した露頭調査と、離水を示唆する痕跡の探索を行った。その結果、海岸線と節理の発達方向(NE方向)が調和的であることを確認した。また、離水を示唆する生物遺骸は確認されなかった。
1.直線的な山地/段丘境界に関する調査・検討
もんじゅ敷地の南方に存在する、NW~NNW方向の線状地形(L-2リニアメント,耐震バックチェック時に判読)は、JAEAによる地形・地質調査の結果等から、組織地形である可能性が高いと評価されている。この線状地形の北方の山地/段丘境界はNW方向で直線的である。この境界の活断層の可能性について、原子力規制委員会の有識者会合において意見があり、これを受けて、詳細な地形・地質調査を行った。
地形調査:山地/段丘境界付近において、地形判読、現地調査、測量データの解析等を行った。調査地域では、山地斜面が直接海に臨み、現河床と段丘面の勾配は比較的急である。そのため、人工改変前の地形図からは,河川が大きく蛇行することなくゆるく湾曲した侵食地形を作っていること、山地/段丘境界も同様にゆるく湾曲していることが読み取れる。また、建設前の地形図には山地/段丘境界付近に分離小丘状の地形が表現されているが、航空レーザ測量及び踏査ではそのような地形は顕著に認められないことから、地形図作成当時の判読誤差等が影響して表現されている可能性がある。
地質調査:山地/段丘境界付近において、破砕帯の有無や節理の発達様式に着目して露頭調査と堆積層の年代測定を行った。その結果、発達する節理は主としてNW方向(山地/段丘境界の発達方向)及びNE方向であり、比較的堅硬な花崗岩も分布していることが明らかとなった。また、山地/段丘境界付近には一部の露頭で破砕帯が確認されたが、山地/段丘境界の方向と同方向に連続する破砕帯は確認されなかった。破砕帯が確認された山地/段丘境界北西端付近の露頭では、破砕帯を覆う約4~5万年前以降の被覆層に変位は確認されなかった。
以上の地形・地質調査の結果,山地/段丘境界の直線性が断層変位に起因する証拠は確認されなかった。
2.直線的な海岸線と海岸沿いの平坦面に関する調査・検討
もんじゅ敷地周辺では、大局的にみるとNE方向の直線的な海岸線が発達する。また、海岸沿いの一部に定高性のある地形(平坦面)が認められる。このような地形の成因と平坦面が他にも分布するのかどうかについて、地形・地質調査を行った。
地形調査:地形判読を行うとともに、航空レーザ測量データから作成したDEMを利用して等高線図や地形断面図を作成した。その結果、標高5m付近に分布する平坦面(幅約10m、長さ約20m)の1か所を除き、比較的平坦な面として認識できるような地形は判読されなかった。
地質調査:節理の発達に着目した露頭調査と、離水を示唆する痕跡の探索を行った。その結果、海岸線と節理の発達方向(NE方向)が調和的であることを確認した。また、離水を示唆する生物遺骸は確認されなかった。