日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS27_1PM1] 津波とその予測

2014年5月1日(木) 14:15 〜 15:15 418 (4F)

コンビーナ:*林 豊(気象研究所)、Mas Erick(International Research Institute of Disaster Science)、馬場 俊孝(海洋研究開発機構)、座長:林 豊(気象研究所)

14:30 〜 14:45

[HDS27-15] 確率論的津波ハザード評価に向けた浸水深ハザード評価の検討

*齊藤 龍1藤原 広行2平田 賢治2村嶋 陽一1村田 泰洋1井上 拓也1秋山 伸一3阿部 雄太3松山 尚典4遠山 信彦4 (1.国際航業株式会社、2.防災科学技術研究所、3.伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、4.応用地質株式会社)

キーワード:津波ハザード, 津波浸水深, 確率, ハザード曲線

平成24年度から開始した日本周辺海域の津波ハザード評価に向けた取り組みの一環として、津波遡上範囲における確率論的なハザード情報を面的に表現する手法の検討を行った。これまでの津波ハザード評価では、ある想定地震とその発生確率を考慮した津波シミュレーション結果を用いて、海岸線や沿岸などの評価地点における津波水位の頻度を確率論的に推定し、海岸部の脆弱性が評価・研究されてきた。主に重要施設周辺を対象にしているが、市街地や河川周辺などの浸水想定区域に対して同様の評価を行うことも今後必要になると考える。また、全国を概観した確率論的津波ハザード評価では、津波波源となる可能性のある全ての震源を設定することで、日本全国の沿岸津波水位を確率論的に予測・評価することを試みている。しかし、津波シミュレーションに必要な膨大な計算とデータ処理のため、陸域の最小計算格子サイズは50mに設定されている。そのため、浸水深分布を正しく表現することが難しい。地形データの解像度を細かくし計算格子サイズを小さくすることで、より詳細な浸水深ハザード評価を行うことができると期待できる。そこで本研究では、陸前高田市市街地を例に、市街地周辺の地形データと計算格子サイズを10mで設定し、津波遡上範囲の各計算格子において浸水深のハザード曲線を作成し、確率論的な浸水深分布を予測した。想定した地震は長期評価などに基づいた多数の震源と発生頻度で設定した。ある閾値に達する浸水深の年超過確率は、波源モデルの年頻度と地震発生確率から求めた。