日本地球惑星科学連合2014年大会

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インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG01_29PO1] International comparison of landscape appreciation

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*水上 象吾(佛教大学社会学部公共政策学科)

18:15 〜 19:30

[HGG01-P01] 2009年から2013年までの景観の心理的評価に関する英語論文のレビュー

*青木 陽二1 (1.放送大学)

キーワード:景観評価, 英文論文, 2009-2013, レビュー

本論文では、2009年から2013年までのLandscape and Urban Planning, Landscape Research, J. of Environmental Psychology, Environment and Behavior, J. of Environmental Managementや他の科学雑誌での、心理テストの観点から景観評価に関する興味深い研究をレビューする。 2005年まで、私はレビュー記事(Aoki, 1999、Aoki, 2006、Aoki, 2007)に景観評価の様々な研究を報告した。最近の5年間に、最後に報告をした十年に比べて、より多くの研究が発表された。よって、私は先の論文に従い、(1)景観現象の明確化、(2)回答者の属性、(3)景観評価項目、(4)風景収集や提示方法、及び(5)心理的反応の説明モデルと物理計画内での提案について報告する。
(1)風景現象の明確化(表1 )
風景評価の最初の説明は、J. Appleton(1975)によって提案された。人間の大脳における複雑な反応系の詳細なメカニズムは、まだ説明されていない(Thiel, 1996)。この困難な状況は、人間に与えられた高度な脳のシステムであることが議論された(Bourassa, 1991)。我々はすでに、脳内の活動を測定するツールを得たが、景観現象の解明と、景観評価の原因の解明にはまだ時間がかかる(青木2008 )。
最近5年間で、小児期および青年期のアットホームな雰囲気について(AdeviとGrahn 2012)が検討した。
(2)回答者の属性(表2, 3)
属性には二種類あり、人類を表わすものと個性を表わすものがある。
前者では、山岳部族のシェルパ(Beza, 2010)やナイジェリアの子供たち(FalkとBalling 2010)が調査された。
後者では、観光客が増加し、親族関係の影響が新たに(Howleyら2012)調査された。
インターネットを介して回答の意味づけは検討中である。
(3)景観評価(表4 )
好みは、近年は多く使用されている。支払い金額は、この分野で普及するようになった。 SD法はまだ評価に用られている。
他の評価では、例えば、自宅気分(AdeviとGrahn 2012)、親しみ(Dobbe, 2013)と、撮影場所の分布(杉本2013)が用いられた。
(4)風景サンプリングと提示法(表5, 6 )
新しい風景として、運輸軌道(Bernasconiら2009)、火災後の変化(Islas and Vergara 2012)、エベレスト山(Beza, 2010)、季節の変化(Erogluら 2012)が調べられた。
提示方法では、現場訪問が増え、携帯電話の改良によりGPS(杉本2013)利用が人気となった。
(5)評価説明モデルと計画提案(表7, 8)
評価説明モデルでは、生物多様性(Jungelsら2013)や、川の水量について(Pfluegerら2010)が試みられた。
計画提案では、地図提示(Ribeiroら2013、Schirpkeら2013)が提供された。
参考文献
Aoki, Y. 1999 Review Article: trends in the study of the psychological evaluation of landscape, Landscape Research 24(1), 85-94.
Aoki, Y. A. 2006 Historical review on landscape studies in term of psychological evaluation, Landscape planning for Russia: results and prospects 37-46.
Aoki, Y. 2007 Recent trends of English papers on the psychological evaluation of landscape, J. of Environmental Information Science 35(5), 181-188.
青木陽二 2008 風景の科学的評価について 季刊環境研究148,120-126.
Appleton, J. 1975 The Experience of Landscape, London. Wiley.
Bourassa, S.C. 1991 The Aesthetics of Landscape, London: Belhaven Press.
Thiel, P. 1997 People, Paths and Purposes, Seattle, WA: University of Washington Press.