日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG21_29PM2] 自然資源・環境の利用と管理

2014年4月29日(火) 16:15 〜 18:00 421 (4F)

コンビーナ:*上田 元(東北大学大学院環境科学研究科)、大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)、座長:大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)、上田 元(東北大学大学院環境科学研究科)

17:45 〜 18:00

[HGG21-P02_PG] 熱帯アフリカの養豚フロンティア―ケニアにおける中小経営の変化と地域分業システム―

ポスター講演3分口頭発表枠

*上田 元1 (1.東北大学大学院環境科学研究科)

キーワード:養豚, 中小生産者, ケニア, 熱帯アフリカ

1990年代初頭以降,東・南部アフリカでは養豚が顕著に拡大してきたが,その経営内容については不明な点が少なくない。本発表では,熱帯地域における豚の新家畜としての導入前線である「養豚フロンティア」として,ケニア,セントラル州のニェリ・カウンティとニャンザ州のホマベイ・カウンティをとりあげ,中小生産者が養豚の開始以来,とくに2009年から2012年にかけて経験した経営の変化をとらえる。舎飼いについては飼料価格高騰が,都市部とその周辺における放し飼いについては作物食害や衛生問題が,それぞれ主な理由となって,子取り経営,肥育経営,一貫経営の間の移動や,養豚からの撤退が起こっていることを明らかにするとともに,そうした変化を規定する立地条件,さらには農村養豚と都市養豚の間の地域分業の存在を指摘する。フロンティアでは養豚を軌道に乗せる工夫や経営変化がより多様にあらわれ,そこでの事例は,回転の速い食糧供給手段であり貧困削減効果を期待される養豚の,熱帯アフリカにおける普及・持続の要因を検討する手がかりとなろう。