日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM22_30PO1] 地形

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*島津 弘(立正大学地球環境科学部地理学科)、小口 千明(埼玉大学・地圏科学研究センター)、瀬戸 真之(福島大学うつくしま福島未来支援センター)

18:15 〜 19:30

[HGM22-P06] 2013年台風26号により伊豆大島で崩壊が発生した斜面の樹木根系の分布状況について

*村上 亘1小川 明穂1小川 泰浩1大丸 裕武1 (1.森林総合研究所)

キーワード:伊豆大島, 台風26号, 斜面崩壊, 樹木根系

2013年10月16日の台風26号の通過に伴い伊豆大島では大規模な斜面崩壊が発生した。これまでに行われた緊急調査により、崩壊は表層から1m以浅の極浅い部分で発生したこと、すべり面には根系の侵入があまり認められていないことが報告されている。筆者らは崩壊頭部の縁辺部において倒木調査を行い、樹種、樹高、根の深さや広がり(幅)といった根系の分布状況について調査を行った。調査した倒木の樹種はヒサカキ(Eurya japonica)が多く、ハチジョウイヌツゲ(Ilex crenata Thunb. var. hachijoensis)、オオシマザクラ(Prunus lannesiana var. speciosa)、ヤブツバキ(Camellia japonica)の順であった。調査した倒木の樹高はほとんどが5~7m程度であり、高いものでも10m以下であった。根の深さは多くは60~80㎝までであるが、根の深さには樹種によって違いがみられ、ヤブツバキとオオシマザクラが比較的深いところまで根が入っているのに対し、ヒサカキやハチジョウイヌツゲは比較的浅いところに分布する傾向があった。根系が深くまで分布していない要因として、火山特有の土質状況が指摘されているが、今回の調査では、崩壊斜面に成立していた樹木の樹種特性の違いも一因として推測された。