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[HTT34-04] GISを使った横浜市上空のSPM分布推定におけるバッファモデルの影響
キーワード:GIS, クリギング, R言語, FOSS4G, Google earth, JPGIS-GML-DEM
各地に位置する測候所で観測されたSPM濃度から,目的とする地域に関する連続した濃度分布を推定する場合,空間統計学の手法のひとつであるクリギング(Matheron, 1973)が用いられる。その際,推定値の分散を最小化するために補助マップを使用した普遍クリギング(universal kriging)が使用される。本研究では普遍クリギングによるSPM濃度分布推定に二種類の補助マップを使用した。ひとつはDEMに基づく地形マップで,もうひとつは海岸線からのバッファ距離に基づくバッファモデルから生成したバッファマップである。しかし分布を推定する領域が広域で陸上部と海上部を含み,さらに海上部での観測値が得られていない場合,推定したSPM分布の妥当性が使用したバッファモデルによって異なると考えられる。そこで幾つかのバッファモデルについて普遍クリギングを使ったSPM空間分布推定に与える影響を検討した。本研究では,SPM濃度データは国立環境研究所によって公開されているデータを使用した。DEMデータは国土地理院によって公開されている基盤地図情報数値標高モデル(JPGIS-GML-DEM)からFGDVで抽出した。バッファモデルは地質調査所による20万分の1日本シームレス地質図から抽出した海岸線データを元にGISアプリケーションで作成した。全てのデータの投影法は日本測地系2000(JGD2000)に変換し,地理空間計算において投影法の違いに起因する誤差の発生を最小限に抑えた。地理空間計算とその表現にはR言語とそのライブラリ, FOSS4GおよびGoogle earthを用いた。本研究で用いたSPM濃度データ観測点は陸上部のみに存在し海上部には存在しない。また海上部はDEMにおいても標高がゼロである。このため普遍クリギングによる予測の分散が小さくても,バッファ距離が大きい海上部での予測は正確さが低いことを前提にして,得られた予測分布を扱う必要があると考えられる。