日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS01_29PM2] Land-ocean linkages in East Asian marginal seas

2014年4月29日(火) 16:15 〜 18:00 314 (3F)

コンビーナ:*多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、Murray, Richard W(Boston University)、座長:Murray Richard W.(Earth & Environment, Boston University, USA)、多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

17:50 〜 18:00

[MIS01-P02_PG] 中期中新世女川層に見られる堆積リズム

ポスター講演3分口頭発表枠

*黒川 駿介1多田 隆治1高橋 聡1水谷 茜1久保木 結1 (1.東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻)

キーワード:中新世, 女川層, 堆積リズム

中新世中期から後期にかけて、層状珪質岩を主体とする地層が環太平洋域に広く出現する。アメリカ、カリフォルニア州の海岸沿いに分布するモンテレー層や東北日本の女川層などがその代表例である。女川層は、”硬軟互層”と呼ばれる、比較的硬いポーセラナイトと比較的軟らかい珪質泥岩の互層を主体とし、平行葉理が比較的よく保存された白黒のポーセラナイトの細互層がその下部に見られる。女川層に見られるこうした硬軟互層や明暗互層の堆積リズムは、センチメートルからメートルスケールの堆積リズムを示す事が知られており、メートルスケールのリズムは、ミランコビッチサイクルに駆動された海水準変動に伴って変化する日本海内の水塊構造の変化を反映していると解釈されているが(Tada, 1991)、一方、センチメートルスケールの互層については、千年スケールの変動を反映する事は明らかにされているものの、その変動の成因や周期構造については未だ解明されていない。
そこで本研究では、女川層に刻まれる明暗互層の成因や周期構造を解明し、日本海の水塊構造の変化、そしてグローバルな環境変動との関連性を解明することを目指す。そのために、まず女川層の連続柱状図を作成し、微化石やサイクル層序から詳細な年代モデルの構築を行っている。その上で、女川層の珪質岩の化学分析を行い、シリカフラックスと砕屑物フラックスを割り出す。各フラックスの時間変動から日本海の水塊構造について議論し、グローバルな環境変動と比較することを計画している。
発表では、秋田県矢島町で行ったフィールド調査の結果について紹介する。