[M-IS26_29AM1] 大気電気学

[MIS26-04] 金環日食に伴う下部電離層擾乱の時空間特性に関する研究

*乾 大輝¹、芳原 容英¹ (1.電気通信大学大学院情報理工学研究科)

キーワード：金環日食, 電離層擾乱, VLF帯電波, FDTD法

電気通信大学では，国内外から送信されるVLF/LF帯電波を，全国各地の受信局で受信し下部電離層擾乱の観測を行うVLF/LF帯送信電波観測ネットワークを運用している．下部電離層擾乱の発生要因の1つに金環日食がある．先行研究では，日食に伴う振幅変化の伝搬経路長への依存性や，LWPC法を用いたモデリングが行われているが，観測に用いられている送信局-受信局パスの数が少なく，擾乱の俯瞰的調査が行われていない．そこで本研究では，電波観測網が密である電通大VLF帯電波観測ネットワークを用いて2012年に発生した金環日食に伴う振幅データの解析を行った．次に数値解析 (FDTD法)を用いて電離層擾乱に伴うVLFの振幅変化の距離・時間依存性を詳細に解析して俯瞰的な調査を行い，実測値との比較を行った．その結果，観測されたVLF振幅の時間変化は，数値解析結果と比較的良い一致が見られた．