日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS35_2PM1] ジオパーク

2014年5月2日(金) 14:15 〜 16:00 211 (2F)

コンビーナ:*目代 邦康(自然保護助成基金)、有馬 貴之(首都大学東京都市環境科学研究科)、大野 希一(島原半島ジオパーク推進連絡協議会)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、尾方 隆幸(琉球大学教育学部)、渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、座長:尾方 隆幸(琉球大学教育学部)

14:30 〜 14:45

[MIS35-09] 静岡におけるジオをテーマにした教材及び授業の紹介と高校生の防災認知について

*津田 和英1村越 真2 (1.NPO法人ホールアース研究所、2.静岡大学教育学部)

キーワード:地学教材, ジオパーク人材育成, 高校への出前授業, 防災認知

[はじめに]科学と環境教育連携プロジェクトは、研究者・自然ガイド・学校教員などが連携して、自然科学をテーマにした教育コンテンツを開発した(津田他, 2013)。開発された12種類の地学教材とモデル授業は、伊豆半島ジオパーク人事育成事業に於いて、3年間で述べ150人を超えるジオガイドに対して実施し、静岡県の大地の特徴を捉えるという狙いについて、ほぼ全ての受講者より高い評価を得た。 本プロジェクトで開発されたモデル授業「静岡の大地の成り立ち」における事前と事後の防災アンケートの統計研究を、「平成24~25年度ふじのくに防災フェロー養成講座」の修了研修に於いて試みた。[方法] 対象は静岡県内の2校の高校1年生約320名とし、1つは伊豆半島ジオパーク内の学校でもう1つはジオパークのエリア外の学校で実施した。手法としては、①インタープリターによる出前授業、②フランクなコミュニケーション、③工夫されたハンズオン教材、④理解を深める小道具(サブ教材)、⑤学習ワークシートを用いた。 具体的に、授業では主に3つの教材を使用して、①導入では静岡県の4つのエリアの石をグループごとに観察及び実験、指定された年代クイズを選択し、②展開に於いて各岩石のエリアを含む静岡県の地質区分によるパズルで年代順序を捉え、③まとめでは、その時代にどの様な地学的なイベントがあったかを静岡の地史の紙芝居(木製パネル)で静岡の大地の成り立ちを確認した。 [成果] 事前アンケートでは個別の理解度を知るために、「地震」、「プレート」、「過去の南海トラフ地震」、「富士山噴火」、「県内の活火山」、「県内の岩石」、「ジオパーク」の項目を質問した。ジオパークエリア外の高校ではジオパークについてのほとんど認知されていない事がわかった。 授業後の事後アンケートに於いては、期待度・好奇心の質問項目(授業への興味、野外での活動等)に対する回答が事前に比べて大幅に向上した。理由として工夫された教材による体験(60%)と授業者であるインタープリターへの興味(22%)が多くを占め、授業が地学、ジオ(大地)についての関心を高める結果となった 発表ではSPSS統計解析により、データの詳細な分析結果を提示する予定である。