日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS35_2PM1] ジオパーク

2014年5月2日(金) 14:15 〜 16:00 211 (2F)

コンビーナ:*目代 邦康(自然保護助成基金)、有馬 貴之(首都大学東京都市環境科学研究科)、大野 希一(島原半島ジオパーク推進連絡協議会)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、尾方 隆幸(琉球大学教育学部)、渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、座長:尾方 隆幸(琉球大学教育学部)

15:45 〜 16:00

[MIS35-14] 白山手取川ジオパークにおける国土交通省の取り組み

*金谷 孝雄1山口 隆2 (1.国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所、2.白山手取川ジオパーク推進協議会)

キーワード:白山手取川ジオパーク, 水の旅, 石の旅, 白山砂防, 国土交通省

白山手取川ジオパークは、「山-川-海そして雪,いのちを育む水の旅」をメインテーマに、石川県白山市全域をジオパークのエリアとしている。白山火山を源とする手取川を主体に、上流では火山作用による侵食しやすい地形からの土砂災害が繰り返され、中流域では渓谷が形成され、下流には扇状地が拡がるなど、山地から平地、侵食から堆積への遷移を間近で観察できるジオパークである。また、大地の変動や侵食・堆積のメカニズムである「石の旅」もテーマの1つに掲げている。国土交通省では、手取川において、昭和2年から上流で土砂崩壊や土砂災害の抑制を目的とした砂防及び地すべり対策、昭和55年完成の洪水から生命財産を守るための手取川ダム、昭和37年より手取川扇状地での河川改修、さらには,昭和36年から海岸侵食防止のための石川海岸保全施設整備など、県民生活の安全安心の確保を目的とした社会基盤整備を行っている。手取川における国の治水事業は、白山手取川ジオパークのテーマである「水の旅」,「石の旅」と深く関わっている。昭和初期に建設した施設の中には、「選奨土木遺産」や「登録有形文化財」に登録された建造物があり、歴史的・景観的にも価値が高く、白山手取川ジオパーク推進協議会の一員として、施設の役割や事業のPR、間近で観察できる見学会等に取り組んでいるところである。昭和9年には、手取川で未曾有の大災害があり、112名の尊い命を奪う土砂災害が発生した。その時に流れ出てきた大きな石「白峰百万貫の岩」が当時の恐ろしさを今に伝える資産として川の中に鎮座しており、小学生のジオパーク学習やジオツアーに活用している。また、平成13年に開館した「白山砂防科学館」は、白山手取川ジオパーク推進協議会と連携し、砂防の観点から白山の自然,地質,歴史,暮らしを科学的に映像や展示物で紹介するとともに、災害時には防災拠点としての役割を果たしており、年間1万人以上の来客がある。さらに海岸部では、ジオサイトとリンクしながら地域の歴史や海岸の成り立ちなどを学べる野外博物館「石川海岸フィールドミュージアム」を整備している。