日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD40_29PM2] 宇宙食と宇宙農業

2014年4月29日(火) 17:15 〜 18:06 312 (3F)

コンビーナ:*片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)、座長:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

17:15 〜 17:30

[MSD40-01] 宇宙食における薬膳料理の必要性 ‐ボタンボウフウのおやつへの利用-

*脇田 麻里1高瀬 芳美1河合 美佳1林 嬉乃1小林 瑞希1梶原 聡美1片山 直美1 (1.名古屋女子大学)

キーワード:宇宙食, 薬草, 薬膳, ボタンボウフウ, おやつ

目的 宇宙での長期滞在において、食事は大変重要である。病気にならないように、できる限りバランスのとれた食事を毎回とる必要がある。そのため宇宙食は薬膳料理である必要がある。今回免疫増強やがん予防など優れた薬効が期待されるボタンボウフウを用いて宇宙食を作ることを目的とした。ボタンボウフウは苦みがあるが、おやつとして手軽に摂取できるような方法を考えた。方法 まずミキサーを用いてボタンボウフウをミキサーにかけて液状にした。その後3種類(パウンドケーキ、団子、ショートブレッド)のおやつをボタンボウフウの液を用いて作成した。試食を行って官能試験結果(味、香、見た目、総合:10点満点)を得た。パウンドケーキはホットケーキミックス200g、ボタンボウフウ180gを混ぜ合わせ、パウンドケーキ型で160度のオーブンで30分間焼いた。さらにこの基本レシピに加えて抹茶10gを加えたものも作成した。また、団子は上新粉150gとボタンボウフウ130gを混ぜ、団子状にして30分間100度で蒸し揚げた。ショートブレッドは薄力粉250g、上新粉50g、砂糖80g、バター175g、ボタンボウフウ25g、ミントの葉6gを混ぜ合わせ、170度で45分間焼きあげた。結果 おやつにすることでボタンボウフウの苦みを感じることなく、おいしく食べることが出来た。官能試験でも小学生から高齢者まで、「おいしい」と評価してくださった。バターや小麦粉、さらに焼くまたは蒸す調理工程によって、ボタンボウフウの持つ苦みが和らぎおいしく食べることができた。考察 バターや小麦粉など混ぜ合わせる食材量や焼くまたは蒸す調理工程によって、ボタンボウフウの持つ苦みが和らぎおいしく食べることができた。宇宙においては、宇宙放射線など、発がんの危険が伴うことがあるため、ボタンボウフウの様な癌予防効果がきたできる薬草を積極的に取り入れる必要がある。今後はおかずとしての利用を考え、薬膳として一般にも広く啓発したい。