日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT41_28PM2] 地球惑星科学における地図・空間表現

2014年4月28日(月) 17:06 〜 17:57 422 (4F)

コンビーナ:*小荒井 衛(国土地理院地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)、座長:小荒井 衛(国土地理院地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)

17:06 〜 17:21

[MTT41-P06_PG] ジオパークの地図

ポスター講演3分口頭発表枠

*小荒井 衛1目代 邦康2 (1.国土地理院、2.自然保護助成基金)

キーワード:ジオパーク, 地図, 地形表現

2011年の日本地図学会誌「地図」において、「ジオパークと地図」という特集を行った。その中で、目代・小荒井(2011)は、日本におけるジオパーク活動の展開と地図の活用についてレビューを行い、その中で各地のジオパークにおける地図の実態について報告を行っている。毎年5月に開催されている地球惑星科学連合においてもジオパークの公開審査も行われ、多くの自治体から熱気を帯びたプレゼンテーションが行われている。ジオパークに関するポスター発表のセッションでも、多くのジオパークをもつ自治体やジオパークを目指す自治体等が自らのジオ資産についての価値をPRする発表を行うと共に、地球惑星科学の研究者らがジオパークに関するアウトリーチ活動やソーシャルメデイアを活用した普及啓発活動に関する発表を行っている。演者は各ジオパークが配布するパンフレット等を収集し、ジオパーク活動における地図の利活用の状況について、特に地形表現に着目して再整理を行った(小荒井,2013)。今回、その後の検討結果を含めて報告したい。
今回の検討で着目したのは、以下のような視点である。ジオパーク活動における地図の利活用の状況について、特に地形表現に着目し再整理した。等高線か、DEMによる陰影表現か、等高線と陰影の併用か、鳥瞰表現か、赤色立体地図か、段彩表示か、その他の地形表現か、山頂のみの表示か、地形表現無しなど。地質情報をどのように表示しているのか。主題図を使用しているのか、地形表現に地質情報を加味しているのかなど。また、カラーコーディネートの視点からの見やすさの評価や、地学専門家からの視点と一般のジオパーク訪問者からの視点の違いにも考慮した。
結果としては、全体として観光地図的なものが多く、中には基図に地形表現を試みているものもあったが、段彩表現により簡便に表現しているものが主であった。詳細な地形表現を試みたものとしては、DEMによる陰影図やそれを3D表現したものが多かった。このような視点で見た場合、等高線図と比べて読者にも地形の概要が理解しやすいものと考えられ、等高線図で表現したものは少なかった。等高線図で表現しているジオパークマップは、トレッキング向けに限定されていた。
引用文献
目代邦康・小荒井衛(2011):日本におけるジオパーク活動の展開と地図の活用.地図,49(3),1-16.
小荒井衛(2013):ジオパークの地図の地形表現について.日本国際地図学会平成25年度定期大会発表論文・資料集.