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[MTT42-P06] 地球表層プロセス研究のための10Be測定:バックグラウンド低減のための前処理法の改良
キーワード:ベリリウム‐10, バックグラウンド, 地球表層プロセス, 加速器質量分析
石英中のベリリウム‐10 (10Be) は宇宙線照射生成核種であり、加速器質量分析 (AMS) 法の発展とともに、年代決定や地球表層プロセスの理解などに用いられてきた (例えば、Gosse and Phillips, 2001)。本手法の適用範囲の拡大のためには、10Be濃度が低い (すなわち、露出年代が若い、もしくは、浸食速度が早い) 試料の測定が不可欠であり、そのためにはバックグラウンドを下げる必要がある。特に、同重体であるホウ素‐10 (10B) の混入を防ぐ前処理法の開発は必須である。本研究は、10Be-AMS測定のための前処理法の改良を行い、10Beのバックグラウンドを下げることを目的として行った。その結果、バックグラウンドに最も影響を与えるのは、酸化時の試料の大気暴露時間の長さであることが明らかになり、電子レンジるつぼを使用し酸化時間を短縮することなどが重要であることが明らかになった (Yokoyama et al., submitted)。講演では、分析結果の概要などを報告する。