日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-03_29AM1] 地球・惑星科学トップセミナー

2014年4月29日(火) 09:45 〜 10:55 メインホール (1F)

コンビーナ:*原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)、横山 広美(東京大学大学院理学系研究科)、座長:山田 耕(早稲田大学政治経済学術院)、横山 広美(東京大学大学院理学系研究科)

09:45 〜 10:20

[O03-01] 巨大地震をほり起こす-津波堆積物からわかること・わからないこと-

*宍倉 正展1 (1.産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター)

キーワード:巨大地震, 津波, 津波堆積物, 古地震学

2011年東北地方太平洋沖地震では,巨大な津波が内陸奥まで浸水しましたが,その際,海から運ばれた土砂が一面に積もって大地を覆い,地層となりました.これを津波堆積物と言います.実はこの地震の前から,研究者たちは過去の津波堆積物について調べており,平安時代に起きた869年貞観地震で,東北地方に非常に大きな津波が襲ったことがわかっていました.地震後,2011年と869年の津波の浸水範囲を比較したところ,両者は非常によく似ており,結果的に規模の予測ができていたことがわかりました.このことから,津波堆積物をはじめとした過去の地震や津波の痕跡を探る“古地震研究”が注目を浴びるようになりました.しかし数千年も遡った過去の現象を解明することは容易なことではありません.この講演では,古文書などの歴史資料,地層に記録された津波,海岸地形に記録された地殻変動など,様々な痕跡を掘り起こし,過去の地震や津波を復元する様子を,調査の苦労話や研究成果の社会との関わりなども交えながら紹介したいと思います.