日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-06_30PO1] 日本のジオパーク

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、住田 達哉(産業技術総合研究所)

18:15 〜 19:30

[O06-P24] アポイ岳ジオパークにおける教育普及活動実践例の紹介~石に親しむ小石の標本箱つくり、様似の大地の成り立ちに親しみを持つ~

*加藤 聡美1 (1.アポイ岳ジオパーク推進協議会)

キーワード:様似町, アポイ岳, ジオパーク, 地球科学教育, 生涯学習, 岩石

昨年度行った一般町民向けのアポイ岳ジオパークの講座を紹介する。

①石の見分け方を学ぶ~小石の標本箱つくり~
小中学生向けに、石の見分け方を学び河原で石を拾うことを通して、石に親しみを持つことを目的とした講座を開催するための技術研修会の紹介をする。
この講座は、北海道の学芸員の技術研修として行われた。地質学を専門としない学芸員であっても、石にまつわる講座ができないかということを検討した。すぐ実施できるような実践的な技術研修であり、専門分野以外について知識を深めることも想定している。そこで石の知識がなくても石を見分けられるように、小石の写真と簡単な見分け方をまとめた資料を作成することにした。この際に「糸魚川世界ジオパーク 石のことがわかる本」を参考にしている。
研修会を終え、野外では鑑定に限界のある石、2種類の性質を持つ中間的な石があることがわかった。そのような石は除き、代表的な石については、小石の写真を見ながら探すことは有効であった。また糸魚川ジオパークの見分け方を参考にしていたが、様似町に適する見分け方があることがわかった。今後の課題としては、小石を集めた後の、小石が語るストーリーの構築が必要。火成岩・堆積岩・変成岩という石の分類、または様似町全域の大地の成り立ちを語ることに展開していきたい。

②石から学ぶ、様似の大地の成り立ち~ハンマー片手に、石の標本箱をつくろう~
一般町民向けに、住んでいる土地の成り立ちに親しみを持つことを目的とし、景色から地形・地質を読み取ることや、ハンマーを使って石を割り様似町の代表的な石を集めることを通して、様似の大地の成り立ちを学ぶ講座の紹介をする。
この講座は、4年目となるふるさとジオ塾という町民向け講座の一環であり、様似のいろいろなところに出かけ、様似を学び楽しむことを目的としている。本年度は、1年間に12回の講座を予定しており、この講座は2013年11月17日(日)の午前に、8回目として行われた。参加者は大人11名であった。
 様似町の大地は、かつて海だったところと、陸地の地下がめくれあがっているところの2種類でできているのだが、野外では採取した石のでき方を解説し、海でできたことと地下でできたことを実感することとした。最後にイラストを用いた紙芝居で、様似の大地の成りたちを説明し、イメージができるようにした。
 まとめとしては、陸地の地下がめくれ上がっていることを実感しにくいこと。ふるさとジオ塾のほかの講座にくらべ参加者数が少ないことがあげられる。今回は、大人対象であったが、小中高生向けの解説書をつくることを検討している。