日本地球惑星科学連合2014年大会

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[O-06_30PO1] 日本のジオパーク

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、住田 達哉(産業技術総合研究所)

18:15 〜 19:30

[O06-P26] 銚子ジオパークにおける「夏休みこどもジオツアー」の取組事例

*山田 雅仁1岩本 直哉1中村 希維1 (1.銚子市役所ジオパーク推進室)

1.目的
銚子ジオパーク推進協議会では、2013年夏に、千葉科学大学、銚子市旅館組合、銚子民宿組合、銚子ジオパーク推進市民の会と共催して、子どもたちを対象としたジオツアーを行った。このジオツアーの目的は、夏休みの宿題の題材を提供するということと、滞在型の旅行パックのモデルを作成することであった。

2.ジオツアーのスケジュール
ジオツアーは4回開催された。そのうち、第1回目(7月24-25日)、第2回目(7月31-8月1日)、第4回目(8月27-28日)は、滞在型の1泊2日で「磯遊びで生物観察など、楽しく自然に触れる」という内容である。第3回目(8月8日)は、日帰りで「地層の観察、研究をみっちりして、本格的な自由研究を仕上げる」という内容である。
滞在型のジオツアーでは、初日に、JR特急の到着時刻に合わせて、9:30に銚子駅集合とした。千葉科学大学でオリエンテーションを行い、その後、長崎海岸での磯遊び、君ケ浜での植物観察を行った後、青少年文化会館でジオ弁当を食べた。午後からは、その場所で星座早見盤を作成し、プラネタリウムを見た後、犬吠埼を散策した。2日目は、地球の丸く見える展望館での景観の観察、渡海神社で極相林の観察の後、地球の丸く見える展望館で、まとめの学習と参加証書の授与式を行って、解散とした。
日帰りのジオツアーでは、同じく9:30に銚子駅集合とした。まず、千葉科学大学でオリエンテーションを行い、その後、屏風ケ浦での解説と火山灰のサンプリングをして、千葉科学大学でジオ弁当を食べた。午後からは、サンプルを実体顕微鏡で観察した後、観察結果をまとめた。

3.事前準備
このジオツアーの準備は、4月下旬ごろから始められた。当事者が主として、電子メールを使用して、情報交換を行った。関係者が顔を合わせての作業部会は、1か月に1回程度行われた。募集開始前に議論された項目は、多岐にわたり、主催・共催について、ジオツアーの内容(晴天時及び荒天時)、時間設定、講師の協力、料金設定、定員、ジオツアーの予約方法、ジオサイト間の移動に利用する交通手段、保険の加入について、宣伝方法、資料の作成、連絡体制、緊急時の対応、当日の人の動きなど、さまざまな内容であった。
料金は、一人当たり各旅館、民宿の宿泊料金+1,200円として設定した。ジオツアーの申込みは、じゃらんインターネット版を通して、6月10日に開始した。
宣伝方法は、銚子ジオパーク推進協議会と銚子市観光協会のウェブサイトにチラシを掲載した。また、チラシを作成して、7月9日に関東地方の博物館や各ジオパーク推進協議会事務局へ送付した。また、7月20日に地元の新聞にも記事を掲載していただいた。
これまでに、滞在型の旅行パックのモデルを作り上げることをひとつの目的としていたが、思うように参加者が増加しなかった。そこで7月18日に地元の人達を含めて、宿泊なしでも参加できるように方針転換を行った。

4.ジオツアー当日
子どもの参加者は、第1回目から日付順に、それぞれ6,2,2,21人であった。
アンケート結果によれば、参加した子どもたちの多くは、満足したという結果が得られたが、多くの課題も挙げられた。子どもたちは、磯遊びが楽しかったという感想が多く、参加者の母親からは、銚子で生まれ育ったが、改めて銚子の良さが感じられた、ジオパークをもっと学びたいなどの感想が寄せられた。

5.反省会
これらのジオツアー終了後、9月19日に、関係者が16人集まってグループに分かれて、付箋を利用したワークショップ形式で反省会が行われた。(その翌日に、別の3人は別途意見を提出した。)
反省会で上げられた主な良い点は、「子どもたちが楽しそうだった」、「様々な団体が協力し合った」、「それぞれの企画が紹介できた」、「全体の骨組みができた」、「無事故でよかった」などの意見に集約できた。
一方、問題点としては、「申込方法がわかりにくい。」、「広報に工夫が必要。」、「プログラムを詰め込みすぎた」、「開催の曜日」、「参加者が少ない」、「参加者に対する配慮不足」、「説明が難しい」などの意見に集約できた。
また、解決策としては、「早めに行動」、「広報の工夫」、「開催日の設定方法」、「宿泊とジオツアーの分離」、「他のジオパークに学ぶ」、「当日の配慮」、「連絡体制や役割分担」などの意見に集約できた。
さらに、自由討論では、「日程調整の連絡がうまくいかなかった」、「作業部会の中で、早い段階に共通認識を持つべき」、「旅館組合、民宿組合は協力していただけるところだけ参加すべき」などの意見が出た。