[P-EM30_30PM2] プラズマ宇宙：乱流，輸送，非線形現象

[PEM30-08] 有限振幅ホイッスラー波動非線形発展に伴うプラズマ加熱

*齊藤 慎司¹、成行 泰裕²、梅田 隆行³ (1.名古屋大学 大学院理学研究科、2.富山大学 人間発達科学部、3.名古屋大学 太陽地球環境研究所)

キーワード：ホイッスラー波動, 太陽風, 非線形発展, プラズマ加熱, 粒子シミュレーション

本研究では、有限振幅かつ長波長の右偏波波動の非線形発展について、空間二次元速度3次元の粒子シミュレーションを用いて研究を行った。波動が持つ磁場エネルギーは背景磁場の10%とし、イオン慣性長程度の波長を持った波動について注目した。シミュレーション結果より、波動が持つ粒子速度の摂動を原因として、Modified Two Stream Instabilityが駆動されることを確認した。この不安定性により、背景場に対して準垂直方向に静電場が励起され、イオンが垂直方向に、電子が平行方向に優位なエネルギー増加が起こった。波動エネルギーは非常に短い時間（イオン旋回時間以内）に約70%減少した。これは一次元的なparametric instabilityより効率的なエネルギー散逸を意味する。さらに、この非線形発展を介して、背景場に対して準垂直方向に波動が励起されていることを本シミュレーションによって見いだされた。ここでは非線形発展に伴うプラズマ加熱と準垂直伝搬波動について議論を行う。