日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM32_1PO1] プラズマ宇宙:MHD現象,リコネクション,構造形成

2014年5月1日(木) 18:15 〜 19:30 5階ポスター会場 (5F)

コンビーナ:*松清 修一(九州大学大学院総合理工学研究院流体環境理工学部門)、新田 伸也(筑波技術大学)

18:15 〜 19:30

[PEM32-P01_1] 太陽外層コロナでの磁気熱不安定性

*横山 央明1 (1.東京大学)

キーワード:太陽, コロナ, プラズマ, 磁気流体

太陽コロナへの、磁気熱不安定(magneto-thermal instability、MTI)の適用について検討した。磁気熱不安定は、磁場が存在する成層大気中で非等方熱伝導が効くとき生じるものでBalbus(2000)によって提案された。重力のもとで、水平磁場とガス圧とで支えられている成層大気を考える。もしこの層が、重力の向きに温度が高くなる、つまり低層が高温の場合に、この不安定が起きる。成長時間は、重力加速度を温度スケール長で割った程度になる。磁気張力が復元力として働くので、磁場はじゅうぶん弱い必要がある。
太陽コロナ中では、密度が薄く温度が高い。さらにジャイロ半径が十分小さいため、非等方熱伝導がよく効く。したがって、磁場が十分弱くかつ温度勾配が重力と同じ向きであるような環境であれば、磁気熱不安定がはたらくかもしれない。このような状況は、数太陽半径付近の上空コロナに存在する可能性がある。そこでは、温度勾配は内向きでスケール長は太陽半径程度となっている。Quataert(2008)が求めた磁場強度に対する制限条件も、状況によっては満たす可能性があると考えられる。もしこの不安定が有効にはたらけば、非常に長周期ではあるが、太陽風に対する擾乱源になりうるかもしれない。
詳しく調べてみたところ、3太陽半径付近で最大成長になる。しかし、典型的な磁場強度に対しては成長時間・成長波長ともに大きすぎ現実的ではない。磁場が0.1倍であれば、太陽風中の乱流の擾乱源の振動数とほぼ調和的であった。