日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM35_30PO1] プラズマ宇宙:シミュレーション技法,データ解析・可視化

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 5階ポスター会場 (5F)

コンビーナ:*松清 修一(九州大学大学院総合理工学研究院流体環境理工学部門)、松元 亮治(千葉大学)

18:15 〜 19:30

[PEM35-P02_30] 太陽表面磁気対流の研究における、観測・数値シミュレーションデータへの画像自動認識手法の利用

*飯田 佑輔1堀田 英之2 (1.宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所、2.HAO/日本学術振興会)

キーワード:太陽, 磁気対流, 画像自動認識

太陽表面における磁気対流現象に関する、画像認識手法を用いた観測・数値シミュレーションデータの解析手法とその有用性について紹介する。

 太陽表面磁気対流は、太陽フレア・太陽ジェット・X線輝点といった多くの太陽表面活動現象の起因であり、その理解は太陽物理学の基本的な重要課題であるのみならず、我々の地球の最も近くに位置する恒星であるため最も詳細に観測や数値シミュレーションを行うことができる天体磁気対流現象の一つとしても、興味深い。太陽表面での磁気対流の基本要素(対流セル構造とそれにより掃き寄せられた磁極構造)は、太陽半径のスケール(70万km)に対して非常に小さく(<1,000km)、これらの統計的性質の大規模構造への寄与が重要視されている。よって、太陽表面磁気対流をその基本要素から研究するためには、このような小さな構造を十分な数捉えるようなデータを取得しなければならず、観測・数値シミュレーションの両面から困難であった。2000年台後半からの衛星観測技術と計算機技術の進歩によって、これらの問題は解決されつつあり、ようやく太陽表面磁気対流の研究は探索の緒についたところであると言える。しかしながら、実際にこれらのデータの解析を行うに際して、「磁場要素・対流要素の統計的性質を如何にして取り出すか」という新たな解析の困難に直面している。

 このような中で、画像自動認識手法の利用が着目され始めている。本発表では、発表者らが開発した太陽表面磁極・対流セルの自動認識・追跡コード、それを実際の観測・数値シミュレーションデータへ適用することにより得られた磁極・対流セルの統計性質を紹介する。本研究では、画像の自動認識を利用することで、先行研究と比べて莫大な数の統計解析が可能となったことを強調したい。また、今回3学会合同セッションを通して、他分野の研究において画像自動認識手法が有効であるかについて、積極的な相互議論を行いたいと考える。