日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG10_2AM2] Microcracks preceding ruptures in the crust related to earthquakes, volcanic eruptions and landslide

2014年5月2日(金) 11:00 〜 11:45 313 (3F)

コンビーナ:*藤縄 幸雄(一般社団法人危機管理対策協議会)、芳原 容英(電気通信大学情報理工学部情報・通信工学科)、座長:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、Revil Andre(Colorado School of Mines, Geophysics)

11:00 〜 11:15

[SCG10-06] 地表自然電位観測による地下水動態の推定

大坪 大1服部 克巳1、*山崎 智寛1 (1.千葉大学大学院理学研究科)

キーワード:斜面崩壊, 自然電位

近年,集中豪雨の頻度が増加するにつれて,斜面崩壊の発生件数も増加する傾向にある.降雨に起因する斜面崩壊の過程を解明し,斜面の監視や崩壊発生時刻を予測することは重要な課題である.そのために我々は,斜面崩壊の早期予測システムの開発を目的とし,自然電位法によるアプローチを試みている.この手法は,間隙水圧計を用いた観測に比べ,コストが安く,広範囲にわたり観測を行えるという利点がある.これまでの室内実験の結果から,水の動きや土層の変位と自然電位との間に関係性があることが確認されてきた.しかし,現段階では自然電位から地下水動態を推定するまでには至っていない.そこで本研究では,自然電位から地下の電荷分布を推定し,地下水動態を推定する手法の開発を行った.地下の電荷分布は,測定された自然電位とクーロンの法則によって結びついている.したがって,電荷分布の推定は逆問題となる.この逆問題を解くために本研究では,線形正則化法であるフィリップス・ティホノフ正則化法を用い,最適解を選択するための客観的評価量として,GCV(Generalized Cross Validation)を使用した.また,推定した電荷分布の評価と地下水動態の関係性を調査するため,小型水槽実験システムを用いてシミュレーションと実験を行った.結果として、開発されたアルゴリズムは数値シミュレーションにおいて有効であることがわかった。小型水槽実験システムを用いた実験は、電荷分布の評価と地下水動態の関係性の解明に良い結果をもたらしたが、一方でいくつかの改善点を示した.詳細は講演時に述べる.