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[SCG67-12] 2011年東北地方太平洋沖地震後の海底地殻変動
キーワード:海底地殻変動観測, 東北地方太平洋沖地震
海上保安庁では,GPS/音響結合方式による海底地殻変動観測の技術開発及び海底基準点の展開を実施し,繰り返し観測を実施してきた。東北地方太平洋沖地震の発生後には,その余効変動を把握するため,定期的に観測を実施している。2014年1月までには,各海底基準点で9 - 15回の観測を実施した。各海底基準点は東北地震前に設置したものを使用している。Sato et al. (2011) は,地震の前後の観測から,震央付近に位置するMYGI及びその北北東約70 kmに位置するKAMS海底基準点がそれぞれ24 m,23 m東南東に移動していたことを示し,震央付近の領域下で大きなすべりが発生したことを明らかにした。また,震源域南部のCHOS及びFUKUでは1 - 5 m程度と,比較的小さな変動であったことも示している。地震後の繰り返し観測の結果,CHOS及びFUKUについては,余効すべりに伴う,時間とともに減衰する東南東向きの変動が捉えられた。これは,陸域の観測結果(Ozawa et al., 2012)と整合的である。一方,MYGI及びKAMSは,ほぼ一定速度で西北西方向に移動している。これは,余効すべりに伴う変動とは全く異なる。また,MYGIの西方約50 kmに位置するMYGWでは南向きの変動が検出されたが,この方向は,プレートの収束方向とほぼ直交している。上下方向の変動については,CHOS以外の観測点で沈降していることが観測された。このように,海底の測地観測からは,非常に複雑な地殻変動分布が検出されている。本発表では,得られた最新の観測成果について報告する。