日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM37_30PM1] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2014年4月30日(水) 14:15 〜 15:00 413 (4F)

コンビーナ:*櫻庭 中(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、望月 伸竜(熊本大学大学院先導機構)、座長:櫻庭 中(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

14:30 〜 14:45

[SEM37-14] GPSから推定される過去の大陸形状の復元

河合 啓悟1加藤 忠義1、*原田 靖2 (1.東海大学海洋学部海洋資源学科、2.東海大学 海洋学部 海洋地球科学科)

キーワード:GPS, 過去の大陸形状, プレート内部変形

Kono et al.,1985 は古地磁気学的解析から第三紀前期にはアンデス山脈は現在の様に逆くの字型に曲がっていたのではでは無く, 南北に真直ぐな形状であったことを示した. 本研究では現在観測されているGPSのデータによる大陸の内部変形運動を過去に外挿して, この様なアンデス山脈の形状が復元し得るかどうか検証した.GPSを含む宇宙測地技術から得られるプレート運動ベクトルが, NUVEL-1A等の数百万年間の平均のプレート運動と比較し得るかどうかは1990年代から議論されており(例えば, Gordon,1993), 両者は良い一致を示すことが分かっている. 本研究では, 加藤ら2012(連合大会)が考案したGPSデータから過去や未来の地形形状を推定計算する方法を用いて, 南米大陸の過去の形状を計算したところ約50Maの形状ではアンデス山脈が南北に真直ぐな形状に復元され, Kono et al.,1985の推定する形状に良く一致した(下図). この結果から数十年スケールのGPSで観測されるプレート内部変形は数千万年スケールの大陸の変形運動と比較し得ることを強く示唆している.またこの計算方法は汎用性が高いので古地磁気データとGPSデータがある地域ならばどこでも外挿計算による比較が可能である.本研究ではさらに150Maのゴンドワナ大陸の形成時期まで外挿計算を行ったが, Wegener,1915やBullard et al.,1965の行った様な南米大陸東海岸線とアフリカ大陸西海岸線の一致は, 悪くなる傾向がみられた. このことからこのようなGPSデータの外挿は数千万年程度が限界と考えられる.