日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM37_30PO1] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2014年4月30日(水) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*櫻庭 中(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、望月 伸竜(熊本大学大学院先導機構)

18:15 〜 19:30

[SEM37-P04] 第二渥美海丘付近におけるタービダイト・コア試料の古地磁気学的研究

*玉置 真知子1鈴木 清史2江川 浩輔3 (1.日本オイルエンジニアリング株式会社、2.独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、3.独立行政法人産業技術総合研究所)

キーワード:古地磁気学, 古地磁気層序, 帯磁率異方性, 古流向解析, タービダイト堆積物, 第二渥美海丘

2012年6~7月、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、メタンハイドレート層からのメタンガス産出試験のための事前掘削として、愛知県~三重県沖合の第二渥美海丘付近(AT1-Cサイト)でメタンハイドレートを含む堆積物を対象としたコアリングを実施し、貯留層評価に必要な物性値の取得を行った。本論では、第四紀のタービダイト堆積物のコア試料から古地磁気測定を行った結果について報告する。
定方位化のために測定した残留磁化測定では、特徴的な残留磁化方位が求まり、コアの定方位が得られた。また、残留磁化方位から判定される古地磁気極性は泥質試料で全て正帯磁を示し、ブリュンヌ正磁極期に相当すると考えられ、酸素同位体比に基づく年代層序と調和的であると考えられる。また、帯磁率異方性測定によって得られた異方性パラメータから、堆積物は初生的な堆積構造を保持していると考えられる。また、粒子ファブリックのインブリケーションから古流向解析を行った結果、北東から南西方向に卓越する古流向と、南東から北西へ流れる古流向が得られた。北東から南西方向への古流向は、三次元地震探査データから解釈されているチャネルの軸方向と概ね整合しており、堆積物はチャネルの軸流に沿ったタービディティーカレントによって供給されたことが考えられる。一方、南東から北西方向への古流向については、一つの可能性として、渥美海丘の隆起・削剥に伴う堆積物の運搬を示唆していると考えられる。
本研究は、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)の研究の一環として実施した。本研究の公表許可をいただいた経済産業省ならびにMH21に謝意を表する。