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[SGD21-02] 月レーザ測距データ精密解析のためのソフトウェアの開発 その2
キーワード:月レーザ測距, 解析ソフトウェア, 軌道暦
月の軌道運動および回転運動,ならびに潮汐変形の決定を目的として,月レーザ測距データ精密解析のためのソフトウェアの開発を行なっている.研究の初期段階として,最新の物理モデルを組み合わせた月レーザ測距観測モデルを構築した.モデルの構成要素には月の軌道運動および秤動をはじめ,地球回転,地球と月の固体潮汐,またレーザ光の伝播遅延として光行差,大気遅延,相対論効果などを考慮した.月の軌道暦はNASAジェット推進研究所による月惑星暦 DE430,その他の各種物理モデルは IERS Conventions (2010) に準拠したものを使用している.軌道暦の読み出しを始め,各要素の計算には宇宙測地解析ソフトウェア c5++ (大坪ほか,本講演会,2011) のモジュールを用いた.観測値には Apache Point, Grasse, Matera, McDonald の4つの観測局で取得されたnormal point データのうち,1996年6月から2013年7月までの 3577 ポイントを使用した.この観測値をモデルによる計算値と比較したところ,残差の平均値は約 5.7 cm,標準偏差は約 4.8 cm であった.本発表では,初期に行ったモデルと実データとの比較についての詳細,ならびに現在のソフトウェア開発状況について報告する.