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[SGL43-04] 津川―会津区北西部の中新世堆積盆地形成トレンドとインバージョン
キーワード:新潟堆積盆地, 中新世, リフト, 構造トレンド, インバージョン
新潟県北東部に位置する津川・三川盆地は、主にグリーンタフからなる中新世前期~中期の堆積盆地である。既存研究では、基盤中にできたNW-SEの段差が津川盆地を作ったと強調されている。本研究は、新潟県阿賀町三川地域に分布する第三系を対象に野外調査を行い、堆積盆地の発生~発達過程を明らかにすることを目的とする。本調査地域に分布する新第三系を下位より、鹿瀬層・津川層・新谷層・五十島層(新称)に区分した。最下位層である鹿瀬層と津川層は堆積相解析の結果からハーフグラーベンまたはグラーベンを埋積したと推定され、その分布は、N―SまたはNNE-SSW方向のマップスケールの断層で規制されている。一方、NW-SE方向の断層は基盤の小規模な段差や小断層を形成したり、ダイクの貫入方向に影響を与えている。つまり本地域の盆地形成には2方向の要素が関与したと言え、そのうち、主要な方向性はN-SまたはNNE-SSWである。これらの新第三系は、現在その分布が逆断層で断たれ、基盤と接していることが多い。こうした逆断層がrift-border faultが推定される場所に位置していることは、2方向の要素のうちN-SまたはNNE-SSW方向のrift-border faultの再活動によってインバージョンが起こったことを示唆する。このとき再活動した断層の方向性からみて、本地域の盆地形成期は新発田-小出構造線の影響を受けていた可能性がある。