日本地球惑星科学連合2014年大会

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ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL43_1PO1] 地域地質と構造発達史

2014年5月1日(木) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*束田 和弘(名古屋大学博物館)、山縣 毅(駒澤大学総合教育研究部自然科学部門)

18:15 〜 19:30

[SGL43-P03] 中央日本北部の第四紀造構環境の変遷

*竹内 章1 (1.富山大学大学院理工学研究部)

キーワード:アムールプレート, 富山トラフ, フォッサマグナ, 第四紀, ネオテクトニクス, 中央日本北部

中央日本(本州中部)は4枚のプレートが収束する地球上でも特異な場所である。第四紀前半の内帯では,西日本側と東日本側で全く異なる造構環境にあったが,1.5Ma頃から次第に現在に近い状態に移行し,0.5Ma以降はほぼ現在と同等の地殻変動場となった。中部日本北部,富山トラフ-フォッサマグナ地域は,オホーツクプレート上の東北日本弧およびアムールプレート上の西南日本弧という対照的な地体構造区を画する主要な構造凹地であり,新生代後期に形成された逆断層/褶曲帯の発達で特徴づけられる。
東北日本弧においては,鮮新世後期以降,NE-SW走向をもつ中新世堆積盆地の境界断層に沿って典型的な盆地反転が進行した。一方,中期中新世初頭に著しい回転運動があった西南日本弧では,更新世初期以降,フィリピン海プレートの北進と沈み込みによる南北圧縮や,アムールプレートの東進運動による東西圧縮が働く環境では,前期中新世堆積盆地の境界断層が復活することは稀で,別系統の断裂が再利用されて逆断層および横ずれ断層の活動を行っている。第四紀におけるユーラシア(アムール)プレートとフィリピン海プレートの間の相対運動変化に関係した一連の反転ないし転換テクトニクスの結果と見なされる。さらに太平洋プレートの沈み込みと関係があると考えられる新潟ー神戸構造帯での地震活動も顕著である。
中央日本について,発震機構解に示されるような横ずれ断層型の広域地殻応力場をもつ第四紀構造環境の成り立ちをうまく説明するためには、現在の弧ー弧衝突帯のマントルにある種の調節メカニズムが働いていると考える必要があろう。
本報告では,こうしたネオテクトニクスの経緯について,地殻変動の変遷を記述するとともに、中央日本北部の構造反転の有無,地震発生層の応力場などから考察するとともに,アムールプレート東進説や日本海東縁新生プレート境界説などプレート構造の枠組みに関する既存の仮説を評価する。