日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT03_29PM2] Structure and dynamics of Earth and Planetary deep interiors

2014年4月29日(火) 16:15 〜 18:00 418 (4F)

コンビーナ:*田中 聡(海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域)、芳野 極(岡山大学地球物質科学研究センター)、亀山 真典(国立大学法人愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、趙 大鵬(東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター)、ヘルンランド ジョン(東京工業大学 地球生命研究所)、座長:Hernlund John(Earth-Life Science Institute, Tokyo Institute of Technology)、太田 健二(東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)

17:15 〜 17:30

[SIT03-26] 高温高圧下における 液体鉄ニッケル硫黄合金の弾性波速度測定

*今田 沙織1中島 陽一2駒林 鉄也3廣瀬 敬4筒井 智嗣5内山 裕士5石川 大介5Alfred Baron2 (1.東京工業大学 地球惑星科学専攻、2.理化学研究所 理化学研究所、3.エジンバラ大学、4.地球生命研究所、5.高輝度光科学研究センター)

キーワード:弾性波速度, 非弾性散乱法, 外核, 液体鉄合金, 高温高圧実験

液体Fe-Ni合金で構成されている外核には、水素(H)、炭素(C)、酸素(O)、ケイ素(Si)、硫黄(S)等の軽元素が含まれると考えられてきたが、含有される軽元素の種類、含有量は未だ明らかにされていない(e.g. Poirier 1994, Li and Fei 2003, McDonough 2003)。また、近年の観測により、火星や水星にも液体核が存在する可能性があることが報告された(Dehant, Science, Margot et al. 2007 )地震波速度は地球深部の観測量として最も信頼性が高い。液体Fe合金の弾性波速度のデータは、観測により得られた地震波速度と直接比較することが出来、外核組成決定に強い制約を与える。しかし実験的困難さから、5 GPa以上の高圧下において液体Fe合金の弾性波速度を測定した例は無い(Nishida et al., 2012)。本研究では、地球、火星、水星外核に含まれる軽元素の候補の一つである硫黄に着目し、高圧発生装置ダイヤモンドアンビルセルとSPring-8 BL35XU、BL43XU高分解能X線非弾性散乱装置を組み合わせ、高圧下における液体Fe-Ni-S合金の弾性波速度測定を、10-30万気圧までの圧力範囲にて行った。出発試料として、(Fe0.83Ni0.17)3S、(Fe0.64Ni0.36)3Sの組成をもつ粉末混合物、もしくはマルチアンビル型高圧発生装置を用い、合成した試料を用いた。今学会では、得られた弾性波速度データを用い、火星核、水星核について議論を行う。