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[SSS26-01] ハーフグラーベン(地下基盤のV字谷構造)と深さ10kmでのP波高速帯の一致 7
つくばを中心とする茨城県南が上盤(埼玉県の秩父、寄居付近)の下方、深さ約20kmから東方へ抜け上がってきた下盤、すなわちリフト縁辺隆起帯であり、変成コアコンプレックスである可能性がある。(大石幸男 2011)関東に存在する4つのだ円形をした深さ10kmのP波地震波高速帯(松原誠 2005)のうち2つは茨城県南にある。つくば市と鉾田市直下に存在するこの茨城県南の2つのだ円高速帯は、深度を増すにつれ面積が大きくなり深さ30km付近では県南を覆うほどの大きさのドーナツ型になり、そのまま深さ約50kmまで達する。この茨城県南の巨大な高速帯のかたまりの西半分は、関東の第四のプレート(遠田晋次 2005)の上に乗っている。ちなみに第四のプレートの東淵の南北のライン、すなわち筑波山、つくば市、千葉市を通るエリアは地震多発の帯(つくば市 2004 M5,7 千葉市 2005 M6,0他)となっている。そして巨大な高速帯の東半分は低速、低ポワソン比帯の上に乗っている。(図 1)この霞ヶ浦直下から南部にかけての低速、低ポワソン比帯のエリアは深さ約50kmから70km付近に存在し、沈み込んだ太平洋プレートの上に乗っている。この低速、低ポワソン比帯という特徴は、3,11の震源付近の固着域の太平洋プレート上面部の特徴と一致し、さらには雲仙岳直下深さ約30kmから地表付近までの特徴と一致する。このことから珪長質の岩石やマグマの存在が考えられる。低速、低ポワソン比の柔軟性が、固着を強め、さらに定常的地震の発生を少なくしたために、巨大な固着面の発見を困難にした可能性がある。(大石幸男 2013)霞ヶ浦直下から南部の低速、低ポワソン比のエリアの下部の太平洋プレートと接した部分も定常的地震発生は少なく、強く固着している可能性がある。今後このエリアでの大地震発生の可能性も再検討する必要があるように思われる。なおこのエリアは低速ではあるが高ポワソン比帯である(中島淳一 2008)との指摘もあるので解決を待ちたい。一方、霞ヶ浦直下の低速、低ポワソン比エリアの上面の深さ約50km付近は定常的地震発生地帯となっており、何故かその形状は側面が台形をした六面体や三角錐などの幾何学的形態をしている。さらにその上方深さ約20kmの香取市付近では3,11以降、正断層地震が頻発している。霞ヶ浦およびその南方域直下の注視が望まれる。