日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC55_1PO1] 活動的火山

2014年5月1日(木) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*青木 陽介(東京大学地震研究所)、市原 美恵(東京大学地震研究所)

18:15 〜 19:30

[SVC55-P01] 干渉SAR時系列解析による国後・択捉島の活火山周辺における地殻変動

*安藤 忍1三浦 優司2松森 敏幸2 (1.気象研究所、2.気象庁)

キーワード:干渉SAR時系列解析, 地殻変動, ALOS/PALSAR, 国内活火山

地表面の状態把握に優れたLバンド波長帯を有するALOS/PALSARは,植生の影響を受けにくく山岳地帯でも干渉性が良いことから,活火山地域での地殻変動観測に有効である.
気象研究所では,2007年から北方領土を含む日本全国の活火山地域周辺を対象に差分SAR干渉解析を行い,火山噴火予知連絡会などで報告を行ってきた.しかし,2011年5月にALOSが運用を休止して以降は差分干渉解析できていない.近年,PS-InSARやSBASと呼ばれるInSAR時系列解析手法が開発され,多くの事例が報告されている.
千島列島南部の国後島及び択捉島には,11の活火山が存在している.本発表では,ALOS/PALSARのアーカイブデータを活用し,これら11の活火山周辺の地殻変動について,スタンフォード工科大学が開発したStaMPS (Hooper et al., 2004) による検出を試みた.なお,該当地域は積雪地域のため,冬期間に撮像されたデータを除いて解析を行った.StaMPSソフトウェアには,PS-INSAR,SBAS法のほか,これらの結果を合成する機能が組み込まれているが, これらの結果の違いについても報告する.

本解析で用いたPALSARデータの一部は、火山噴火予知連絡会が中心となって進めている防災利用実証実験(火山WG)に基づいて観測・提供されたものである.また,一部はPIXELで共有しているものであり,宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学地震研究所との共同研究契約によりJAXAから提供されたものである.PALSARに関する原初データの所有権は経済産業省(METI)及びJAXAにある.なお,干渉画像の処理過程においては,ASTER GDEMを使用し,結果の描画についてはGMTを用いた.ここに記してお礼申し上げます.