日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

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[U-07_1PM2] Future Earth - 持続可能な地球へ向けた統合的研究

2014年5月1日(木) 16:15 〜 18:00 501 (5F)

コンビーナ:*氷見山 幸夫(北海道教育大学教育学部)、中島 映至(東京大学大気海洋研究所)、安成 哲三(総合地球環境学研究所)、植松 光夫(東京大学大気海洋研究所)、座長:植松 光夫(東京大学大気海洋研究所)

16:55 〜 17:15

[U07-15] 持続可能な地球への教育ー国際地理オリンピック

*井田 仁康1 (1.筑波大学)

キーワード:持続可能な地球, 国際地理オリンピック, 地理教育, フィールドワーク, フューチャーアース

国際地理オリンピックでは、国際水準の地理をめざし、各国からの問題が収集され、作成される。これらの問題は、マルチメディア、記述、フィールドワークの3タイプに分けられるが、いずれも地理の基礎的な知識の上に、将来の社会、地球をみすえる力を育成しようとする問題が作成される。特に、フィールドワーク試験では、現地の自然現象、人びとの生活を直接見ることで、現状の理解だけでなく、将来を見る目を養おうとする。翻ってわが国の地理教育をみると、現状の理解にとどまり、自然と人間の関わりおよびその変化を通して、将来を見据えようとする観点が欠けている。実際に、子の宇佐一理オリンピックでは、日本チームは、フィールドワークテストの点が低い傾向にある。これは、わが国の地理教育でフィールドワークがなされていないという技術的なこともあるが、将来を見据えようとする教育がなされていないことが、その主要な要因であろう。わが国の地理教育においては、地理的な知識に基づいて、地理的な観点から、将来を見据えていこうとする学習内容が促進される必要がある。これにより培われる能力は、国際的な地理コンテストで優秀な成績をおさめるということを越えて、持続的地球への教育として必要不可欠なものとなろう。