日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-08_2AM1] 連合は環境・災害にどう向き合っていくのか?

2014年5月2日(金) 09:00 〜 10:45 メインホール (1F)

コンビーナ:*松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻)、須貝 俊彦(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻)、石原 正仁(京都大学学際融合教育研究推進センター極端気象適応社会教育ユニット)、小荒井 衛(国土地理院地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室)、座長:小荒井 衛(国土地理院地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室)

09:45 〜 10:00

[U08-04] 東日本大震災に対する日本地理学会の取り組みと学協会の災害対応のあり方

*熊木 洋太1 (1.日本地理学会/専修大学)

東日本大震災発生に際し,日本地理学会は次の対応を行った。1)理事長を本部長とする災害対応本部を立ち上げ,各方面からの問い合わせへの対応,会員の現地調査活動等の連絡調整,他の学協会との連携・情報交換,会員による調査速報・解説・提言の専用ホームページ上での公開などを行った。2)空中写真判読やマッピングを重視する地理学の特性を踏まえ,上記本部内に津波浸水域の全域を明らかにする作業チームを組織して,3月28日に第1報を発信した(その後12月まで8回改訂)。3)会員等から寄付を募り,被災学校へ地理教材を贈った。4)2014年3月まで,東日本大震災関連の公開シンポジウムを10件開催(うち4件は福島で開催)。内容は自然地理学的観点のもの(津波,液状化,斜面災害・造成地災害,放射線量など)と人文地理学的観点のもの(被災住民の生活,復興あり方など)とがある。大規模災害発生時には,地球惑星科学の学協会は,何が起こったのか,今後何が起こるのか,を解明する学術的な活動だけではなく,それを素早く,わかりやすく,広く発信すること,被災地の住民や政府・自治体のとるべき行動を専門知から支援すること,教育への支援などに積極的に取り組むべきであろう。JpGUとしても,フィールドに入って活動する研究者を支援するとともに,災害発生時のための社会に向けた窓口を持つことが重要であろう。