日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-08_2AM2] 連合は環境・災害にどう向き合っていくのか?

2014年5月2日(金) 11:00 〜 12:45 メインホール (1F)

コンビーナ:*松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻)、須貝 俊彦(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻)、石原 正仁(京都大学学際融合教育研究推進センター極端気象適応社会教育ユニット)、小荒井 衛(国土地理院地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室)、座長:石原 正仁(京都大学学際融合教育研究推進センター極端気象適応社会教育ユニット)

11:15 〜 11:30

[U08-09] 福島事故起源の放射性物質の陸域から水域への移行

*恩田 裕一1 (1.筑波大学アイソトープ環境動態研究センター)

キーワード:Cs-137, 福島第一原子力発電所, 土壌侵食, 浮遊砂, 河川, フラックス

福島原発事故により地表に降下した放射性物質は,その後,土壌や河川等を通じて拡散することが予想される。そこで,様々な土地利用の地域における放射性物質の存在量・移動量の測定,森林を含む多様な土地利用からの放射性物質の再飛散量の測定を大学共同グループとして2011 年7月以来行っっている。調査内容は,森林から野放射性物質の移行,水の移動に伴う,放射性物質の土壌水・地下水・渓流水・河川水への移行調査と,様々な土地利用での土壌区画からの土砂および放射性物質の河川への移行モニタリングを行った。 調査地域は,阿武隈川水系口太川上流域の川俣町山木屋地区である。調査対象地のCs-137 の沈着量は300~600kBq/m2 である。畑地,採草地,牧草地,およびスギ林を含む5 カ所の傾斜地と試験水田を選定し,区画内からの土砂・放射性核種の流出量の観測を行った。また,阿武隈川流域を中心に30カ所の測定点において,浮遊砂を通じた放射性物質の移行量についてモニタリングを行っている。3年近い調査の結果,侵食土砂のCs-137濃度はあまり減少していない一方,水田からのCs-137浮遊砂濃度には減少が見られた。河川を通じた浮遊砂中のCs-137は減少を続けており,現在のところ2重指数関数モデルにフィッティングされるような変化が見られていることがわかった。