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[SSS27-03] 大地震前の地殻活動に伴う異常現象の物理的解釈と検知
キーワード:地震活動静穏化, ダイラタンシー, セルラーオートマタ地震モデル
自然地震の経験則、観測を説明するセルラーオートマタモデル(サックスとライデレク、1995)の考えに基づき、地震予知(短期予知)への観測的アプローチを提案する。このアプローチはプレサイスミックスリップの検出とは異なってダイラタンシー現象の捕捉を考える。これまでに報告されているマグニチュードに依存する地震活動静穏化(たとえば1982年浦河沖地震、1994年ノースリッジ地震、2008年四川地震など)は、ダイラタンシー硬化過程の進行を、このモデルに組み込むと再現できる。しかし、この情報は直前の変化ではなく年オーダーの変化であるので、注意の喚起までである。この変化は、地震域を囲む大きな領域に現れる傾向にあることが特徴である。ダイラタンシーの考えを進めると、地震直前の観測異常はダイラタンシーによる微小な割れ目群に流体が移動する過程に加速的な作用が加わって現れると解釈できるが、物理モデルに照らして量的に検討したうえで、観測の方法として垂直歪成分観測を新たに注目すべき観測パラメタとなる可能性を示す。