09:36 〜 09:51
[ACG33-03] ラドンを用いた日本の沿岸海底地下水湧出の解析
キーワード:海底地下水流出, ラドン, 沿岸地下水
ラドン222は海底地下水湧出を検出する有効なトレーサーの一つとして広く用いられている。これは表流水や海水に比べて地下水のラドン濃度が極めた高いことによる。我が国においても様々な沿岸域において、陸域起源の海底地下水の流出地点及び流出量を検出する試みが、沿岸海水のラドン濃度の測定をとおして行われてきた。本研究では、これまで日本各地で測定されたラドンデータを集約し、シーページメータによって直接測定されたデータとともに集計し、地下水流出量を決定する降水量・蒸発散量・河川水量などの水文気象条件と、地下水流出速度を決定する帯水層の透水性や動水勾配などの地形・地質条件とをあわせて整理した。海底地下水流出の指標であるラドン濃度を、水文気象・地形地質の各種データと比較することにより、海底地下水流出を要因分析と、沿岸生態系への影響について考察した。また特に、岩手県大槌町、山形県遊佐町、福井県小浜町では、湾ごとや湾内でのラドン濃度の比較をおこない、上記のパラメータ以外の要因も含めて検討した。