日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT42] 地球惑星科学における地図・空間表現

2015年5月26日(火) 15:15 〜 16:00 203 (2F)

コンビーナ:*小荒井 衛(国土交通大学校測量部)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)、座長:小荒井 衛(国土交通大学校測量部)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)

15:15 〜 15:18

[MTT42-P01] ウェブ調査に基づく地図利用パターンとその個人差の実証的分析:ウェブマップの利用を中心として

ポスター講演3分口頭発表枠

*若林 芳樹1 (1.首都大学東京)

キーワード:地図利用, インターネット, ウェブマップ, ウェブ調査, 地理空間情報

デジタル地図とインターネットの普及により,ウェブ上の地図(ウェブマップ)の利用が促進され,人々の地図利用の仕方も変化している.これまでの研究は,ウェブマップの概念的・技術的側面に主たる関心を向けてきたが,一般の人々がどのようにウェブマップを利用しているかを実証的に解明したものはほとんどない.本研究の目的は,ウェブマップに焦点を当てながら,一般の人々の地図利用の多様性とそれに寄与する要因を明らかにすることにある.データは,東京圏の635人を対象にして,様々な地図に関する利用頻度と目的に関するウェブ調査から得たものである.各種地図の利用頻度に因子分析を適用したところ,地図はウェブマップ,案内地図,汎用地図の3種類に分けられた.これらの地図の利用と個人属性との関係を統計的に分析した結果,汎用地図は男性が,案内地図は女性がよく利用していることがわかった.また,汎用地図の利用は地図利用の経験や空間的スキルにも密接に関係していた.一方,案内地図の利用は地図/地理への関心やITスキルに関係していることがわかった.しかし,ウェブマップの利用には個人属性の影響はみられなかった.これは,ウェブマップの利用に高度なスキルを必要としないために,利用の個人差がきわめて小さいことを意味する.したがって,多様な主体を巻き込んだ参加型地図作成/GISにとって,ウェブマップは有用なツールとなる可能性がある.