日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI36] 地球惑星科学におけるオープンサイエンスデータをめざして

2015年5月28日(木) 16:15 〜 17:30 203 (2F)

コンビーナ:*村山 泰啓(独立行政法人 情報通信研究機構)、小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、古村 孝志(東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター)、金田 平太郎(千葉大学大学院理学研究科 地球生命圏科学専攻地球科学コース)、坂口 有人(山口大学)、篠原 育(宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所)、横山 央明(東京大学大学院理学系研究科)、座長:小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、横山 央明(東京大学大学院理学系研究科)

16:45 〜 17:00

[MGI36-09] WEKOを利用した超高層・宇宙科学観測データ公開システムの開発

*馬渕 嵩大1笠原 禎也1高田 良宏1松平 拓也1後藤 由貴1山地 一禎2林 正治3 (1.金沢大学、2.国立情報学研究所、3.一橋大学)

キーワード:WEKO, NetCommons2, 宇宙科学, メタデータ, あけぼの衛星, SPASE

本研究では、科学衛星や地上観測によるデータを保有する超高層・宇宙科学分野の研究グループが、相互にデータ公開・利用できる環境を整えると同時に、提供されるデータに対して柔軟なアクセス権限を与える事ができるシステムを構築する事を目的とする。
実際にデータ公開システムを構築するに当たっては、国立情報学研究所(以下、NII)が開発を行っているリポジトリソフトウェア「WEKO」を用いた。WEKOはNetCommons2(以下、NC2)と呼ばれるNIIが作成したContent Management System(CMS)上で動作するリポジトリソフトウェアであり、JAIRO Cloudや様々な学術機関リポジトリサイトなどで使用されている。また、Dublin CoreやJunii2などのメタデータ形式での出力に対応しており、OAI-PMHなどのハーベスティングプロトコルを用いてメタデータを外部サイトに提供する事が可能である。
しかし、WEKOは宇宙科学分野向けのリポジトリソフトウェアとして設計されていない為、実際にリポジトリサイトを構築する際には幾つかの改良を加える必要がある。この様な点から、当研究ではWEKOの内部ファイルに改良や追加を加え、当研究グループが保有するあけぼのVLFデータに適用してその公開サイトを構築した[1]。メタデータに関しては、IUGONETなどのプロジェクトを代表とする各種データサイトで使用されている宇宙科学分野向けのメタデータ形式「SPASE(Space Physics Archive Search and Extract)」について、現在WEKOへの対応を行っている。
更に、NC2にShibbolethと呼ばれるSingle-Sign-On(SSO)を実現するソフトウェアへの対応を行う事で、NC2の通常ログインに加えてSSOを利用した認証も行えるようになる。Shibbolethに加えて学術認証フェデレーション「学認」を併用する事で、WEKOのデータに対しても柔軟なアクセスが実現できる。
本発表では実際にWEKOを用いて科学衛星観測データリポジトリサイトを構築するに当たっての手順や改善点を述べながら、他システムとの連携手段及び今後の課題について報告を行う。

参考URL
[1] Akebono VLF/MCA Data Repository https://akebono-vlf.db.kanazawa-u.ac.jp/