11:00 〜 11:15
[STT13-07] MMR法による上部海洋地殻における比抵抗異常体の検出
キーワード:比抵抗構造, MMR法, コントロールソース法, 海洋地殻
MMR法はコントールソース法の一種であり、上部海洋地殻の比抵抗構造を推定するのに有用なツールである。この手法は、ソースとして鉛直な双極子電流、レシーバーとして海底磁力計で構成されている。1次元の比抵抗構造は、ソース-レシーバー間距離と鉛直方向の双極子電流によって誘導される磁場の値の間の関係から容易に推定できる。しかし、3次元の比抵抗構造を見積もることは困難である。それゆえ、私たちは海洋地殻の比抵抗異常体を三次元的な位置を決定するために磁場異常マップを導入する。磁場異常は基準となる比抵抗構造(比抵抗異常体が存在しない)で誘導される磁場と比抵抗異常体が存在する場合に発生する磁場の差と定義する。磁場異常は1組のソースとレシーバーに対して得られ、磁場異常の値はレシーバーに対するソースの位置でプロットされる。レシーバーに対する磁場異常図は、多くの異なるソース点での磁場異常によって作成される。私たちは、様々なパラメータ(水平方向のレシーバーと比抵抗異常体の距離、比抵抗異常体の深さなど)を持つ10個のモデルに対し磁場異常を3次元フォワードモデリンングによって計算しました。10個の異なるモデルに対する磁場異常マップは、磁場異常と比抵抗異常体の場所に関する2つの関係を導き出すために用いました。1) 比抵抗異常体は磁場異常のピークとレシーバーの位置を結ぶ直線下に存在する。2) 比抵抗異常体の深さは、比抵抗異常体の深さが比抵抗異常体と磁場異常のピーク間の水平距離に比例をしていることを示していることにより決定可能になる。これらの関係は2つ以上のレシーバーを設置し、磁場異常マップによってそれぞれの3次元的に比抵抗異常体の場所を推定可能にする。私たちの結果は、磁場異常マップが上部海洋地殻の比抵抗異常体の3次元的な位置を決定するのに有用であることを示し、それはMMR法が海洋地殻の比抵抗異常体の分布を明らかにするためには、少ない台数の海底磁力計に対して多数の鉛直方向の双極子電流送信点を必要とすることを示唆している。