[S-VC45] 活動的火山

[SVC45-P39] 干渉SAR時系列解析による国内主要火山周辺における地殻変動

*安藤 忍¹、三浦 優司²、松森 敏幸² (1.気象研究所、2.気象庁)

キーワード：干渉SAR時系列解析, 地殻変動, ALOS/PALSAR, 国内活火山

地表面の状態把握に優れたLバンド波長帯を有するALOS/PALSARは，植生の影響を受けにくく山岳地帯でも干渉性が良いことから，活火山地域での地殻変動観測に有効である．

気象研究所では，2007年から北方領土を含む日本全国の活火山地域周辺を対象に差分SAR干渉解析を行い，火山噴火予知連絡会などで報告を行ってきた．また，昨年の連合大会では，千島列島南部の国後島及び択捉島の11の活火山周辺について，StaMPS (Hooper et al., 2004) を用いた干渉SAR時系列解析結果を報告した．

気象研究所では，その後も国内の主要活火山地域において，ALOS/PALSARデータを用いた同様の手法による解析を進めている．その結果，幾つかの活動的な火山において，火山活動に伴うと考えられる地殻変動の時系列変化を検出した．なお，北方地域の活火山においては，積雪の影響を取り除くため，冬期間のデータは使用しなかった。本発表では，国内の主要火山周辺の地殻変動について，StaMPSソフトウェア機能を使ったPS-INSAR，SBAS法を合成した結果を報告する．

本解析で用いたPALSARデータの一部は、火山噴火予知連絡会が中心となって進めている防災利用実証実験（火山WG）に基づいて観測・提供されたものである．また，一部はPIXELで共有しているものであり，宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学地震研究所との共同研究契約によりJAXAから提供されたものである．PALSARに関する原初データの所有権は経済産業省（METI）及びJAXAにある．なお，干渉画像の処理過程においては，国土地理院発行の数値地図10mメッシュ（標高）を元にしたDEHMを使用し，結果の描画についてはGMTを用いた．ここに記してお礼申し上げます．