12:00 〜 12:15
[HGG01-10] 夏目漱石の漢詩における風景の描写
キーワード:漢詩, 風景, 夏目漱石, 単語
1.はじめに
夏目漱石は中国・台湾・韓国などの東アジアで著名な文学者である。彼の漢詩は、中国語で吟じられても美しいと言われている。本研究では、夏目漱石の漢詩の単語を分析することにより、彼の風景観を考察することを目的とした。
2.研究方法
夏目漱石の漢詩は全部で208首あり、吉川幸次郎『漱石詩注』(1967年(昭和42年))に掲載された漢詩を対象とした。主に風景に関係する単語を集計した。調査には、花や柳などの植物、鳥や馬などの動物、風や雲などの気候、水や山、月などの自然に関す単語を集計した。2回以上出現した単語のみを集計した。本文中のパーセントは208首に対する出現割合である。分析には、クラスター分析(ウォード法)を用いた。統計分析にはSPSSを使用した。
3.結果
3.1.風景に関する単語の出現頻度
208首のうち出現数の多い順に、風(34%)、水(31%)、雲(30%)、山(23%)、花(22%)、雨(20%)、月(19%)、秋(17%)、柳(13%)、鳥(13%)、空(13%)などが用いられていた。出現した単語数は923単語であった。
植物に関する単語では、花(22%)、柳(13%)、竹(11%)、木(8%)、松(8%)、紅葉(7%)、草(7%)、林(6%)、苔(5%)などが使用されていた。植物に関する単語は合計で219単語出現し、風景に関する出現単語中24%を占めた。動物に関する単語では、鳥(13%)、馬(5%)、鶴(4%)、魚(4%)などであり、合計で77単語(8%)出現した。天候に関する単語では、風(34%)、雲(30%)、雨(20%)、秋(17%)、春(12%)、夕日(11%)、太陽(8%)、煙(8%)などであり、合計で320単語(35%)出現した。自然に関する単語では、水(31%)、山(23%)、月(19%)、空(13%)などであり、合計307単語(33%)であった。
3.2.風景に関する単語のクラスター分析
調査結果をクラスター分析した結果、出現頻度の順に1位から11位までと12位以下に分けることができた。1位から11位は、水、山、雲のまとまりと、風、花、雨、月、秋、柳、鳥、空のまとまりから構成されていた。
4.考察
夏目漱石の漢詩に出現する風景に関する単語を分析した。彼は、天候(35%)や自然(33%)、植物(24%)の単語を使用していた。特に、水、山、雲のまとまりでは、遠くの山並みに雲がたなびき、手前には水の風景が広がる風景が想像される。次に、風、花、雨、月、秋、柳、鳥、空のまとまりでは、日本の風景に関する四字熟語である花鳥風月を想像できた。
夏目漱石は中国・台湾・韓国などの東アジアで著名な文学者である。彼の漢詩は、中国語で吟じられても美しいと言われている。本研究では、夏目漱石の漢詩の単語を分析することにより、彼の風景観を考察することを目的とした。
2.研究方法
夏目漱石の漢詩は全部で208首あり、吉川幸次郎『漱石詩注』(1967年(昭和42年))に掲載された漢詩を対象とした。主に風景に関係する単語を集計した。調査には、花や柳などの植物、鳥や馬などの動物、風や雲などの気候、水や山、月などの自然に関す単語を集計した。2回以上出現した単語のみを集計した。本文中のパーセントは208首に対する出現割合である。分析には、クラスター分析(ウォード法)を用いた。統計分析にはSPSSを使用した。
3.結果
3.1.風景に関する単語の出現頻度
208首のうち出現数の多い順に、風(34%)、水(31%)、雲(30%)、山(23%)、花(22%)、雨(20%)、月(19%)、秋(17%)、柳(13%)、鳥(13%)、空(13%)などが用いられていた。出現した単語数は923単語であった。
植物に関する単語では、花(22%)、柳(13%)、竹(11%)、木(8%)、松(8%)、紅葉(7%)、草(7%)、林(6%)、苔(5%)などが使用されていた。植物に関する単語は合計で219単語出現し、風景に関する出現単語中24%を占めた。動物に関する単語では、鳥(13%)、馬(5%)、鶴(4%)、魚(4%)などであり、合計で77単語(8%)出現した。天候に関する単語では、風(34%)、雲(30%)、雨(20%)、秋(17%)、春(12%)、夕日(11%)、太陽(8%)、煙(8%)などであり、合計で320単語(35%)出現した。自然に関する単語では、水(31%)、山(23%)、月(19%)、空(13%)などであり、合計307単語(33%)であった。
3.2.風景に関する単語のクラスター分析
調査結果をクラスター分析した結果、出現頻度の順に1位から11位までと12位以下に分けることができた。1位から11位は、水、山、雲のまとまりと、風、花、雨、月、秋、柳、鳥、空のまとまりから構成されていた。
4.考察
夏目漱石の漢詩に出現する風景に関する単語を分析した。彼は、天候(35%)や自然(33%)、植物(24%)の単語を使用していた。特に、水、山、雲のまとまりでは、遠くの山並みに雲がたなびき、手前には水の風景が広がる風景が想像される。次に、風、花、雨、月、秋、柳、鳥、空のまとまりでは、日本の風景に関する四字熟語である花鳥風月を想像できた。