日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI37] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2015年5月28日(木) 09:00 〜 10:45 203 (2F)

コンビーナ:*豊田 英司(気象庁予報部数値予報課)、若林 真由美(基礎地盤コンサルタンツ株式会社)、野々垣 進(独立行政法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、豊田 英司(気象庁予報部数値予報課)、村田 健史(情報通信研究機構)、寺薗 淳也(会津大学)、堀 智昭(名古屋大学太陽地球環境研究所 ジオスペース研究センター)、大竹 和生(気象庁気象大学校)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、座長:堀 智昭(名古屋大学太陽地球環境研究所)、村田 健史(情報通信研究機構)

10:00 〜 10:15

[MGI37-14] 海氷域における船舶航行支援システムの実施

*照井 健志1杉村 剛1田村 岳史1清水 大輔1嶋田 啓資2矢吹 裕伯3 (1.国立極地研究所、2.東京海洋大学、3.独立行政法人海洋研究開発機構)

キーワード:海氷域, 衛星データ, 自動化, 可視化, Webサーバー

海氷域を航行する船舶にとって、海氷状況の把握は重要課題である。特に1000kmスケールの俯瞰的な情報は、安全な航路を決定する判断材料となるため、地球観測衛星による海氷密接度の観測データが必要とされる。しかしながら、衛星データを可視化した画像ファイルを、船舶上で日々送受信することは、通信回線を圧迫するため、避けられてきた。また、圧縮された衛星データを船舶に送信し、船舶上でそのデータを可視化する場合は、船舶上に衛星データを可視化するための専門知識を有した人員を必要である。また、このような可視化を日々の業務とした場合、労務コストの発生を避けることができない。そのため、衛星データを地上から船舶へ配信し、船舶上で衛星データを可視化するまで工程をシステム化することが必要である。
極地研究所では、GRENE 北極気候変動分野において,極域研究に関するデータの一元的な収集・蓄積・公開を行う「北極域データアーカイブシステム」(以下,ADS:Arctic Data archive System) の基盤構築を進め、様々なWebサービスを提供している。その中のサービスの一つとして、VISHOP(Visualization Service of Horizontal scale Observations at Polar region)の提供を行っている。VISHOPは、地球観測衛星によってもたらされる南北極域の海氷密接度,海面水温及び積雪状況を、準リアルタイムで可視化するWebサービスである。衛星データは、JAXA-NIPR連携協定に基づき、JAXAから極地研究所へ提供されている。提供された衛星データの可視化および表示についてはADSのサーバー上で行っている。
本研究では、このような既存のWebサービスを応用し、海氷域を航行する船舶上でも提供可能なシステムVENUS(VEssele Navigator by Unitized Systems)を開発した。発表では、VENUSの実用性について紹介したい。