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[MIS31-P02] あられ石の起源と方解石への転移温度の関係
キーワード:あられ石, 方解石, 相転移, 生体鉱物, X線回折
生体鉱物は、無機的に形成された同じ鉱物には見られない鉱物学・結晶学的な特徴を有していると言われる。無水炭酸カルシウムの多形のひとつであるあられ石は、常温常圧では方解石に比べて準安定であるが生体鉱物などとして多産され、化石記録や炭素循環などに関連した地球科学的に重要な物質であるため、形成起源(生物/非生物)によってその安定性がどのように変化するかは興味深い問題である。例えば古賀と西川(2014)は、珊瑚のあられ石の加熱による方解石への転移温度は、無機鉱物のあられ石と比べて100C近く低いことを報告しており、これはあられ石の結晶間に介在する水が関係しているとしている。このような熱的不安定性が他の生物起源のあられ石にも見られるのかを調べるために、非生物起源のあられ石を含めた21種類のサンプルに対して、高温X線回折(XRD)を用いてあられ石-方解石の転移温度を決定した。
あられ石-方解石の転移温度は、すべての生物起源あられ石で古賀と西川が報告しているように、無機鉱物あるいは合成のあられ石よりも60-100C程度低くなっていたが、陸生軟体動物のカタツムリ(シュリマイマイ、オキナワウスカワマイマイ、ヒカリギセル )の殻は無機鉱物とほとんど同じ転移温度を示すことが明らかになった。このことから、生体由来のあられ石は、地質由来のものと比べ不安定であると一様には言えないと判断出来る。また海生動物のサンゴのあられ石では、転移開始の温度が他の生物起源のあられ石と比べ約40C低くなっていた。
あられ石-方解石の転移温度は、すべての生物起源あられ石で古賀と西川が報告しているように、無機鉱物あるいは合成のあられ石よりも60-100C程度低くなっていたが、陸生軟体動物のカタツムリ(シュリマイマイ、オキナワウスカワマイマイ、ヒカリギセル )の殻は無機鉱物とほとんど同じ転移温度を示すことが明らかになった。このことから、生体由来のあられ石は、地質由来のものと比べ不安定であると一様には言えないと判断出来る。また海生動物のサンゴのあられ石では、転移開始の温度が他の生物起源のあられ石と比べ約40C低くなっていた。