[H-TT31] 環境トレーサビリティー手法の新展開

★ [HTT31-11] 極微量長半減期同位体を用いた海洋生態系・物質動態解明

*横山 祐典¹、宮入 陽介¹、大河内 直彦²、小川 奈々子²、松崎 浩之³、楠野 葉瑠香³、永田 俊¹ (1.東京大学 大気海洋研究所、2.海洋研究開発機構　生物地球化学研究分野、3.東京大学　総合研究博物館)

キーワード：同位体, 放射性炭素, 加速器, 生態学

海洋生態系および物質循環についての知見の深化は、環境および生態系保全などと密接に関連した重要な課題である。近年の計測機器の小型化などにより、ロガーを用いた魚類や海洋ほ乳類の移動に関する情報が蓄積され、生物の行動様式などについての理解が進展してきた。しかしこの方法では、ロガーの装着には適していない小型の生物やロガーを装着する前の情報の抽出ができないなどの問題点があった。そこで我々は天然に存在する放射性同位体の分布の不均一性を用いて、近年開発されつつある微量の質量分析技術を用いて、海洋生態系の解明を進めてきている。
本講演では特に、２０１３年に東京大学大気海洋研究所の高解像度センターに導入された、シングルステージ加速器質量分析装置を用いた放射性炭素の分析結果などを中心にこれまで明らかになりつつある知見などを紹介する。