日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT55] ハイパフォーマンスコンピューティングが拓く固体地球科学の未来

2015年5月27日(水) 14:15 〜 16:00 103 (1F)

コンビーナ:*堀 高峰(独立行政法人海洋研究開発機構・地震津波海域観測研究開発センター)、金田 義行(海洋研究開発機構)、堀 宗朗(東京大学地震研究所)、日野 亮太(東北大学災害科学国際研究所)、有川 太郎(独立行政法人港湾空港技術研究所)、等々力 賢(東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター / 地震研究所 巨大地震津波災害予測研究センター)、座長:堀 高峰(独立行政法人海洋研究開発機構・地震津波海域観測研究開発センター)

15:30 〜 15:45

[STT55-05] 津波シミュレーションの現状と課題

*有川 太郎1 (1.港湾空港技術研究所)

キーワード:津波シミュレーション, ハイパフォーマンスコンピューティング, 津波, 連成計算

津波シミュレーションでは,波源から遡上までをマルチスケールで連成し,遡上計算部においては3次元シミュレーションを用いて計算する計算や,漂流物との連成計算,構造物の破壊計算との連成計算などの高精細な計算が,京コンピュータを用いてできあがりつつある.本稿では,その現状について整理をするとともに,津波シミュレーションの課題についてまとめるものである.
3次元の高精細シミュレーションにおいては,1m程度の格子間隔で,およそ10億格子数を用いた計算が数万ノードのコンピュータを使用して計算できるようになった.その計算では,実時間の500倍から1000倍程度の計算スピードで計算することが可能となる.また,構造物との連成計算では,津波による防護施設の変形が実験と同じような精度で計算できるようになっている.
そのようななかで,今後の課題としては,被害の想定だけなく,復旧や復興の事前対策への活用といった社会との連携が必須であるが,そのためには,建築構造物の破壊やがれきの計算ということが必要なってくるが,そのような方向性について課題としてまとめる