日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS21] 惑星科学

2015年5月24日(日) 11:00 〜 12:45 A02 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*黒澤 耕介(千葉工業大学 惑星探査研究センター)、濱野 景子(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、座長:鎌田 俊一(北海道大学理学研究院)、東 真太郎(広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻)

12:15 〜 12:30

[PPS21-12] 人工流星の空力加熱過程のその場観察

*黒澤 耕介1千秋 博紀1鈴木 宏二郎2春日 敏測3杉田 精司4松井 孝典1 (1.千葉工業大学惑星探査研究センター、2.東京大学大学院新領域創成科学研究科、3.国立天文台、4.東京大学大学院理学系研究科)

キーワード:小天体, 流星, 空力加熱, 二段式軽ガス銃, 高速撮像計測, 時間分解発光分光計測

大気をもつ惑星・衛星へ小天体が突入すると, その運動エネルギーは大気中で熱エネルギーや大気を伝わる衝撃波エネルギーへ変換される. このとき蒸発した小天体物質と惑星大気が混合し, 惑星大気中の平均場からはずれた化学反応を駆動する. 太陽系の歴史の中でこのようなイベントは頻繁に起こっていたはずであり, 惑星大気進化に影響を与えた可能性があるが, その重要性については理解されていない. これは上記のエネルギー分配過程が複雑な物理・化学過程を介して引き起こされるために十分に理解されていないことが一因であると考えられる.
我々は千葉工業大学惑星探査研究センターに設置された二段式水素ガス銃を用いた人工流星実験を開始している. ガスを満たした真空チャンバ中に飛翔体を撃ち込むことで, 人工的に流星を生成し50 cmの至近距離からの観測を実施する. 本発表ではプラスチック弾丸を窒素ガス中に撃ち込んだ結果について報告する. 至近距離から人工流星体を観察することで0.5 us, 100 umの時空間分解能で撮像・分光計測を行うことに成功した. 人工流星体の空間構造, 化学種分布, 黒体放射温度などを計測することができている. 今後は数値流体計算による解析と実験結果を比較し, 運動エネルギーから熱エネルギーへの分配素過程に迫っていく予定である.