18:15 〜 19:30
[SGL39-P06] 鍾乳石における地殻変動イベント検出の試み
キーワード:鍾乳石, 石筍
鍾乳石の多くは縞状構造を持ち、鍾乳石の成長過程における何らかの変化が記録されている。縞状の鍾乳石は主に過去の陸域における古環境変遷を明らかにする目的で解析されてきた。我々は、鍾乳石が断層などの亀裂を通る地下水の涵養状態に大きく影響され成長する事に着目し、古環境要因以外の地震など地殻変動によるイベントの検出を試みた。
試料として栃木県葛生地域のつらら石と沖縄県石垣島の石筍を用いた。これらの試料の顕微鏡観察・ICP-MSやEPMAによる元素分析を行い縞状構造の特徴を明らかにし、つらら石については放射性炭素年代測定法によっておおまかな形成年代と成長速度を算出した。
結果、つらら石と石筍の両方において縞を構成している暗色層には、Si,Al,Fe,Mgが濃集し、粘土鉱物が定期的に付着し縞状構造が形成されたと推測される。またつらら石の年代測定によって炭酸塩鉱物は約37000年から33000年(14C年代)の間連続的に成長した事が明らかになった。しかしこの成長速度には一部に変則的に成長する時期が確認された。これらの結果から本発表では縞状構造形成に関わる環境要因と地殻変動要因それぞれの可能性について議論する。
試料として栃木県葛生地域のつらら石と沖縄県石垣島の石筍を用いた。これらの試料の顕微鏡観察・ICP-MSやEPMAによる元素分析を行い縞状構造の特徴を明らかにし、つらら石については放射性炭素年代測定法によっておおまかな形成年代と成長速度を算出した。
結果、つらら石と石筍の両方において縞を構成している暗色層には、Si,Al,Fe,Mgが濃集し、粘土鉱物が定期的に付着し縞状構造が形成されたと推測される。またつらら石の年代測定によって炭酸塩鉱物は約37000年から33000年(14C年代)の間連続的に成長した事が明らかになった。しかしこの成長速度には一部に変則的に成長する時期が確認された。これらの結果から本発表では縞状構造形成に関わる環境要因と地殻変動要因それぞれの可能性について議論する。