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[SSS25-P20] 単点常時微動観測を用いた工学的基盤の傾斜箇所の判定に関する基礎的検討
キーワード:常時微動, 表面波, 傾斜地盤
工学的基盤が傾斜しているような地点では,地震動が局所的に増幅する可能性があり,土木構造物の耐震設計の観点からも注意が必要な箇所に該当する.ここで,2点の常時微動同時観測記録の鉛直スペクトル比がグリーン関数の比になるという理論的な報告がされており,この方法を用いることで,工学的基盤の傾斜箇所を簡易に抽出できる可能性がある.そこで,工学的基盤が傾斜している地点において常時微動観測を実施することで,地盤傾斜抽出の可能性について検討を行った.その結果,基盤が概ね水平な地点間の鉛直スペクトル比は概ね1.0であるのに対し,基盤が傾斜している地点間では振幅比の大きさ,山と谷の振動数も大きく変化しており,この方法によって基盤傾斜が抽出できる可能性があることを確認した.今後は本地点を対象とした数値解析を実施することで結果の妥当性を確認するとともに,基盤傾斜箇所の簡易抽出法を構築する予定である.