日本地球惑星科学連合2016年大会

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ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW16] 流域生態系の水及び物質の輸送と循環-源流域から沿岸域まで-

2016年5月26日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*吉川 省子(農業環境技術研究所)、小林 政広(国立研究開発法人森林総合研究所)、奥田 昇(総合地球環境学研究所)、小野寺 真一(広島大学大学院総合科学研究科)、知北 和久(北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、中屋 眞司(信州大学工学部水環境・土木工学科)、齋藤 光代(岡山大学大学院環境生命科学研究科)

15:30 〜 16:45

[AHW16-P19] 西日本の閉鎖性湾における過去1万年間の生物地球化学過程の変動

*小野寺 真一1金 广哲1竹内 徹2齋藤 光代3北岡 豪一4山口 一裕4 (1.広島大学大学院総合科学研究科、2.フジタ地質株式会社、3.岡山大学、4.岡山理科大学)

キーワード:栄養塩、閉鎖性海域、温暖化、1万年間

本研究では、閉鎖性海域である瀬戸内海において、さらに奥に位置する岡山県児島湾を対象して、平野の堆積物中の炭素、窒素、リンの分布結果を基に、過去1万年間の生物地球化学過程を紐解くことを目的とした。8000年前までの温暖化時期には、激しい堆積速度が確認され、一方、縄文海進期まで海面が上昇すると、堆積速度は低下した。これは土砂供給減の源流域での土砂生産量の低下によるものと考えられる。一方、この時期に至るまでの土砂供給期に大量のリンの生産も確認でき、さらに、炭素、窒素の安定同位体比の上昇も確認できた。縄文海進期ピーク以降の寒冷化時期には、リンの供給のさらなる減少とともに、炭素窒素安定同位体比の値も低下する傾向がみられた。