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[HDS17-06] 2015年ネパール・ゴルカ地震にともなうボテコシ川流域の斜面災害
キーワード:2015年ネパール・ゴルカ地震、斜面災害、遷急線
2015年4月25日起こったネパールゴルカ地震にともなって,震源付近の大ヒマラヤ山麓部では,多数の斜面災害が発生した.筆者らは,災害直後から公開された衛星画像を用いて被災箇所の位置データや規模を把握してきた.その後,ALOS3Dから作成した地形図やネパール地質鉱山局発行の地質図との重ね合わせから,発生した斜面災害の地形的,地質的特徴について検討した.その結果,本地震に誘発された斜面災害の大半は,浅層崩壊で,それらは河川沿いの谷中谷の肩をなす,遷急線沿いに集中していることが明らかとなった.カトマンドゥからチベットを結ぶアーニコ・ハイウェイが走るボテコシ沿いに於いては,バラビセからコダリに至る流域で,約1200箇所の斜面災害(崩壊)が認められ,特にスレート岩,片麻岩,ドロマイトの分布域で集中的な分布が認められた.それらの発生斜面の傾斜は,30-50度であるが,片麻岩類に較べスレート岩地域でより低角度からの発生傾向が認められた.