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[HGM14-04] 宇宙線生成放射性核種によるチベット高原北東縁共和盆地の埋積過程の解明
キーワード:チベット高原、共和盆地、宇宙線生成放射性核種、埋没年代
チベット高原はインドプレートとユーラシアプレートの衝突により隆起し,その領域を側方へと拡大させている.高原北東縁では,側方拡大に伴う短縮変形により,高原に沿って伸びる複数列の山脈とそれらに挟まれた盆地が形成されている.それぞれの山脈の隆起開始時期や山間盆地の埋積開始時期はチベット高原北東縁の発達過程を議論する上で重要であり,盛んに研究が行われている.共和盆地はそれらの盆地の内の一つで,活発に隆起する北側のQinghai Nan Shanと南側のHeka Shan (Gonghe Nan Shan)にはさまれた東西方向に伸びる平均標高3200 mの盆地である.共和盆地はかつて閉塞しており周囲の河川からの堆積作用によって厚さ500 m以上埋積されたが,その後,黄河による下刻が進行し,多数の侵食段丘が形成されたと考えられている.我々は本地域において詳細な地形分類と段丘面の編年を行うとともに,盆地堆積物中の宇宙線生成放射性核種を分析することにより,盆地の埋積・下刻の年代とその過程を明らかにすることを試みている.本発表では,主に盆地堆積物の分析結果について報告する.
埋没年代を分析するための試料として,黄河が盆地堆積物を下刻して形成された谷壁を利用しておよそ深度50mごとに9地点から石英の礫を採取した.採取した試料中の26Al /10Be比を測定し,宇宙線が遮蔽されてからの期間(埋没年代)を推定した結果,一部の試料を除き,深い深度の試料ほど古い年代を示す系統的な年代が得られた.堆積と同時に宇宙線から遮断された場合の埋没年代と埋没深度は,ほぼ直線上にプロットされ,5-8Ma以降の堆積速度が約70 mm/kyrと求められた.これは中新世後期以降の共和盆地では定常的な堆積が生じていたことを示唆している.発表では,定常的な堆積が生じていた場合の埋没年代の変化や黄河の下刻による再露出がもたらす埋没年代への影響についてより詳細な議論を行う.
埋没年代を分析するための試料として,黄河が盆地堆積物を下刻して形成された谷壁を利用しておよそ深度50mごとに9地点から石英の礫を採取した.採取した試料中の26Al /10Be比を測定し,宇宙線が遮蔽されてからの期間(埋没年代)を推定した結果,一部の試料を除き,深い深度の試料ほど古い年代を示す系統的な年代が得られた.堆積と同時に宇宙線から遮断された場合の埋没年代と埋没深度は,ほぼ直線上にプロットされ,5-8Ma以降の堆積速度が約70 mm/kyrと求められた.これは中新世後期以降の共和盆地では定常的な堆積が生じていたことを示唆している.発表では,定常的な堆積が生じていた場合の埋没年代の変化や黄河の下刻による再露出がもたらす埋没年代への影響についてより詳細な議論を行う.